設立:昭和36年(1961年)5月
所在地:〒110‐0015 東京都台東区東上野3‐25‐1 KIビル
電話:03-3844-9216 FAX:03‐5828-8797
その他:
① http://www.seal.gr.jp
② 一般社団法人日本印刷産業連合会 会員団体
■≪沿革・組織≫
日本におけるシール印刷は明治44年(1911年)に、東京・四谷の「尚山堂」がドイツからシール印刷機を輸入して製造を始めたことが最初とされている。シールは当初、本来の意味である「封緘」用途としてデパートの包装に用いられたほか、化粧品や医薬品、食品などにも用いられるようになり、当時では高額であったにもかかわらず次第にその用途が広がっていった。
シール(印刷)は第2次世界大戦後の一時期まで、裏面に糊を塗布したもの(これをガムテープと呼んだ)を用いたものが主流となっていたが、昭和32年(1957年)ごろ、ドイツやアメリカから入ってきた「粘着紙」(タック紙)がヒントとなり、圏内で新しい技術・製品が開発された。それが、「セルフラベルJ(粘着ラベル)であった。
セルフラベルは、剥離紙(セバレーター)部分を剥がして貼るものであり、それまでのガムテープによるシールが、貼るために水が必要で、また金属製品・陶磁器・プラスチック製品に貼ることができないなどの制約を克服、どこでも誰でも剥離紙を剥がすだけで使用することができるようになった。しかも、剥がした後に「糊残り」がないなどのメリットが大きく、それ以降、シールは「セルフラベル」(粘着ラベル)に転換していった。
ところで、製品としてのシールのほかにラベル、ステッカーといういい方があるが、特にシールとラベルは現在においては厳密な意味での区別はない。ただ、ラベルは「商標」としての意味がより強い。また、ステッカーは宣伝・広告等の目的で印刷された粘着製品ということができよう。
いずれにしても、業界内では「シール・ラベル」と併記しての表現が一般的になっている。なお、ビールのラベルなどは非粘着の印刷物であり、当業界の主要な仕事とは区別する必要がある。
シール・ラベルは、シール・ラベル印刷機を使用して製造されるが、一般印刷(オフセット印刷)と最も大きく異なる点は、印刷と各種加工(浮き出し・打ち抜き・ラミネートなど)をほとんど1台の機械で同時または連続して行えるところにある。また、印刷用紙は一般の紙ではなく、タック紙(印刷用粘着紙。紙系・フィルムを含んでの呼称)と呼ばれる材料を主にしている点も、大きな特徴とされる(この点は、一部、スクリーン印刷と共通している)。
シール・ラベル印刷の場合、印刷方式の一般的分類である版式による分類ではなく、①凸版、②スクリーン、③フレキソ、④オフセット、⑤グラビア、⑥複合(例:凸版とスクリーン)、⑦デジタル・オンデマンドなどの方式で製造されるが、欧米とは異なり日本では凸版の平圧式または輪転式印刷機の使用が主流となっている。
シール・ラベル(製品)の用途としては、あらゆる産業・製品と多岐にわたっているが、最近では携帯電話の内部、粘着タイプのICタグ、農産物等の「トレーサビリティーシステム」普及に伴う需要が注目を集めている。また、環境対応として、印刷の工程で排出される「(粘着紙の)ヤレや抜きカス」、さらには剥離紙を、「RPF」(固形燃料)原料として有効活用すべく、各地区協組が取り組んでいる。
なお、現在の連合会は、北海道・東北・東京正札・東京ラベル・神奈川県・東海北陸・京都・大阪・四国・九州の9地区10協同組合によって組織されている。
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