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 日本フォーム印刷工業連合会役員研修会にて
  世界不況こそ変革のチャンス
     
栄光は闇の奥深く潜む「ニッチポイントを探せ」と題して
       株式会社 一光社プロ 代表取締役 長山 伸作 氏が講演
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  これは現在の領域から新市場の領域ですが、もう絶対的に私がやってくださいというのは、営業力と企画力です。よく「我々は提案営業しなければいけない。だから営業マンはみんな提案営業しなさい」といって、ある会社はパワーポイントのつくり方を教えている。そして営業が一生懸命自分たちでパワーポイントをつくっている。でも、営業は、企画力はない。企画力はないのに一生懸命営業が社内でパワーポイントをつくっている。こんなばかな光景がある。
営業マンは外で戦うべきであって、社内でパワーポイント

をつくる時間なんかない。そのパワーポイントをつくるのはだれですか。営業と企画と、要するに製造技術なんなりが横断的に集まって、我々はこういうことをやろうじゃないかとなったら、それは販促企画部でパワーポイントをつくる。そのつくったパワーポイントを営業に見せて、それでリハーサルをやらせて、そこまでいけば説得できるだろうといって営業を送り出すなら提案営業というのはできるのです。だけど、意外とそういうことはやらない。  
「あなたたち、提案営業しなさい」といって、営業部長がいうと、「我々が考えることなんて、結局は値下げしかないものな」ということになってしまいます。ですから、そこら辺は皆さんたちも改革していただきたいと思います。  
営業の企画提案というのは、やはりもっと横断的にみんなで考えてつくってあげないとできない。それをやらないかぎりは営業力を評価できないのではないか。そう思います。 
それから常に考えていないといけないわけです。我々はいつもいうのですが、2:8の法則というのがあります。「パレートの法則」ともいいますが、イギリスの統計的なデータで、一般的に2割のお客さまで8割の売上を占めている。たとえていえばそういうことです。2:8というのは私も大好きで、2割のゆとりを持たないかぎりは進化しないのではないかと考えます。
 

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  というのは、今の仕事だけで手一杯でやって回していると、人は進化しない。それに慣れてしまうと、その慣れた仕事だけをやっていれば、それが自分の仕事だと思ってしまう。ですから、トップの人によく「忙しい、忙しいといってトップが仕事漬けになっていたら、じゃ、トップは舵取りしたり、人を理解する時間ないんですか。でも、トップが一番戦略を練らなければいけないのですよ」といいます。外部環境をみながら、うちはこうやるべきだよなというのはトップの勘でしかないと思います。そういう決断力を持っているのはトップだけです。ですから、戦略の方向性だった
ら、トップがやらなければいけない。トップは、2:8の割合で必ず少なくとも2くらいは常に戦略を練る時間を持って考えていないと、戦略は浮かんでこないのではないかと思います。
 
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  そのやり方、今でいうフロンティア的なところとコアコンピタンスのところは、努力です。一にも二にも努力しかないです。私は、若い人に指導するときいつも「あなたたちの設定ハードルは低すぎる」といいます。諦めが早すぎる。ちょっとやって「できない」。できないともう終わってしまう。「できなかった」で終わってしまうのです。  
「そうではないだろう。できないということは絶対ないのだから、その低いハードルは越えられないということはない。だから、そのハードルを越えるためにどうするか。それは努力だよ。もっと努力してくれよ。

もう少しおれから情報を得てこいよ」と。これをやらないかぎりは本当に上がらない。今、非常に努力がない。ちょっとした壁でもう「できませんでした」で終わってしまう。上司も上司で「できなかったか」で終わってしまう。「そうではないだろう。ちょっと指導するから、もう少し上にいこうよ」といって上に引き上げる上司もなかなかいない。  
ですから、日本人はあまりにもいろいろな誘惑が多すぎるので、誘惑に負けてしまって、本来やるべき自分のキャリアを磨くことが最近ちょっと疎かになっているのではないかなと考えております。そんなこと言っていますが、私も酒の誘惑にはすぐ負けてしまうので飲み浸りの日を送っています。でも、考えることが好きなのでいろいろ考えています。
 

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  最後になりますが、PDCAです。皆さん、会社に帰って自分の組織の下がちゃんとできているかどうか確認していただきたいのですが、だいたいはPDの繰り返しをしている企業さんが多いです。プランを練ってドゥをして、うまくいかないとまたプランを練ってドゥをして、そしてまた目標が達成できないとプランしてドゥして、この繰り返しをやられている企業さんは結構多いです。
必ずチェックする。チェックするというのは、評価するだけではだめです。チェックするポジションにいる人は、その部下にいかに指導して改善行動を起こさせるかということで
す。これが抜けていることが多い。要するに指導ができない。何を改善して、どう指導するかというところができていない。そういうところが結構多い。ですから、できるだけPDCAを回せるようにしていただければと思います。
 
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  皆さんから出していただいたアンケート調査が集計されたデータが出てきました。「現在の経営上の問題点について該当するものをチェックしてください」という設問です。  
「需要の減少」「仕入れ価格の高騰」、顧客からの「値下げ圧力」「取引条件の悪化」「資金繰り窮屈」「設備稼働率の低下」、雇用の「人材の過剰感」。この辺のところですが、これをグラフ化します。一応回答数が24。複数回答ですが、やはり「需要の減少」が一番多い。24人の回答中で19社が「需要の減少」です。5社は減少していない。割合からすると、2割の勝ち組、8割の負け組といいますが、2割は必ずどんな不況状況のなかにおいても勝ち組として残っています。  
2番目に多いのが「仕入れ価格の高騰」「値下げ圧力」となっています。「値下げ圧力」は、先ほど言いましたようにレッドオーシャンですから、どの業界でもあるかと思いますが、「仕入れ価格の高騰」というのは、こちらの業界は
用紙をはじめ仕入れ価格が高騰しているのでしょう。
「設備稼働率の低下」は、当然「需要の減少」に連動してきます。  
「自己資本比率」は、20%(最低値)から130 %(最高値)ということですが、結構この業界はいい状況ですね。  
「売上高営業利益率」は、30%のところがありますが、これはすごいです。何か特殊なものをつくられているのでしょうか。  
京セラの稲盛さんが、「経営するなら経常利益2割を目指せ。2割でなければいかん」といいますが、経常利益2割出せる企業はなかなかいません。それを目指せということだろうけれども、少なくとも営業利益は10%ないと何もできないです。  
私は常に思うのですが、予算立てするときに、攻めの戦略で予算を組もうと思うときには、これまでもこれからの時代でも、営業利益のなかから、これだったら予算化できるなというのは、広告宣伝費、研究開発費、設備投資費です。それを3%、3%、3%の9%、これを常に考えるくらいの攻めの経営でできないとライバルには勝てないだろうと常々思います。  
広告宣伝費というのは、電通調べで年間で7兆円です。そうすると、企業1社当たりが1年間に使う広告宣伝費は、170 〜180 万円です。これは零細企業がやめていますから少ないのですが、自分の売上高の3%くらいを広告宣伝費に使えば結構な攻めの経営ができるのではないかと思っております。それと同時に、差別化するための製品開発、研究開発は、3%くらいは予算化したいです。営業利益が出ていれば、次年度予算化してもいいのではないかと考えています。  
「経営計画、経営戦略について実施されているものをチェックしてください」という項目においては、皆さん「ホウレンソウ制度」はしっかりやられています。「中期経営計画」もほとんどでつくられています。「カイゼン制度」もやられています。「5S習慣化制度」は疎かになっています。  
「中期経営計画」を立てるときは、これからはできるだけ戦略を明確にして、単なる目標数をアップするというのではなく、どういう戦略を遂行すればこういう目標値に近づくんだという根拠を示してやらないと、なかなか社員は動きづらいところがあります。努力で達成しようというのは無理な時代です。おそらくどこの会社でもそうですが、結構社員の方たちが疲弊しているところが多い。疲れている。モチベーションが案外下がっています。今、7人に1人くらいが何らかの精神的な障害にかかっているのではないかと思います。  
経営者の方でも、躁鬱(そううつ)にかかっている方が結構いらっしゃいます。ある意味、ずぼらというか、いい加減にならないとだめです。いい加減でちょうどいいと思います。本当にそう思います。なるようにしかならんよ、でも、頑張ろうねというくらいの図々しさがないと経営者をなかなかやっていられないです。まじめすぎる人は結構はまり込んでいます。  
最終的な1点。「新規顧客の獲得」がやはり一番大きいです。このデータのとおりだと思います。「損益分岐点の圧縮策」も今、本当に必要です。戦略というのはこの二つです。内なる戦略、「損益分岐点の圧縮」と「新顧客の獲得」のためにどう動くか。この辺をやっていれば間違いない。
 
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  ですから、私のお話ししたとおりの内容が出ているなと思ったのは、戦略の上位三つがちょうどあるということです。「損益分岐点の圧縮策」がきわめて重要です。それから「新規顧客獲得」のためにどうするか。この戦略も大切ですし、「新製品新事業開発」を考えないと新たな仕事は生まれない。この三つが上に出てきているということは、皆さんたちがそこに力点を置いているんだということで、私が常々考えていることと一致しています。ということは、同じステージの上で同じことを考えているんだな、私が考えていることなんかとっくにやっているよと言われたな、と思ったところで私のお話は終わります。
どうもありがとうございました。
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