技術セミナー[U]
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たとえば請求書を見るのに、印刷物を見るほうが先なのか、インターネットを見るほうが先なのか。いろいろな形のなかで、お客さまが目的とするところの物差しに合わせながら実は印刷物が評価されていると言えるかと思います。 いろいろなメディアが出て、かつては「マルチメディア」という言葉がありますが、そういう複合的なメディアをうまく使いながらお客さまに満足度を与えていく。ですから、釣銭がいくらといっている時代はもう極めて辛い時代になってきている。 ありがたいことに、先ほどMTJの方がおっしゃいましたように、フォーム印刷といった場合に、「DPS」とか「IPS」という言葉を使います。通常の商業印刷業界では「D」「I」が付いている言葉は、なかなか無い話なのです。 ということは、極めてある種の付加価値をもった印刷物、あるいは印刷“物”として提供されているところが、フォーム印刷のポテンシャルである。 フォーム印刷業界の方たちはきわめてクライアントに近いところにいらっしゃる。クライアント様が何を望んでいるか、あるいは一つのフォーム印刷を通して、一番軸にあるところのお客さまをつかまえていらっしゃる。ということは、業務全体を丸ごと取れる立場にいらっしゃる。 世の中がデジタル環境になっていろいろなメディアがあって、そのなかで印刷物が高い付加価値をもってこれからも伸びていくためには、いったいどういうあり方が必要なのだろう。 デジタル時代にふさわしいような印刷物のつくり方、ほかとの関連、あるいはクライアントとの関わりはどういうあり方がいいのかを考えながら話を進めたく思います。 CTPというものをどうとらえるかといいますと、質問された、ある社員は電子焼枠ですと答えました。 デジタルといっても、実はCTPの版はアナログです。印刷機は大いなるアナログです。その大いなるアナログをやりながら、実はデジタルワークフローを確立するという言いわけです。 ですから、版を安定しなければいけないし、更に印刷を安定しなければ、今からお話しするカラーマネジメントなんていう大上段にかまえた話などは、デジタル化なんて全然関係ない。 一番ポイントは、我々が今「プリント」というのは、大いなる誇るべきアナログだ、それからCTPはデジタル焼枠にすぎないということです。 それでも我々が望まれるのは、安定的に工業製品として出されるような印刷物、かつ付加価値を生む印刷物です。それはいったい何だろうか。 そのなかの一つの技術としてCMSがあります。これは今更始まったことではなくて、カラーをコントロールしながら安定的なものを今の時代にふさわしいように、標準的に、短時間のうちに製品化していく、という単純にそれだけのことです。その時に、デジタルの手法を使いましょう、それがCMSです。 かつては「工程変量」とか、いろいろな言葉のなかで皆さま努力してこられながら、工程変量を一定化することによっていつも同じようなものを印刷するんだ、と。では、ここまでデジタルワークフローを確立したといったなかで、いったい何をどうすればいいのか。 これまではモノクロが中心でしたが、これからカラーもやっていかなければいけない、そんな背景にある。 ですから、何回も繰り返しますが、こういう手法論の話と、やはりもう一回、フォーム印刷がいったいどういう価値をもって、業界自体がどんなポテンシャルをもっているのか、みたいな所から眺めていくと、何を準備しなければいけないのかと いう話になってくるかと思います。 |
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たまたま私も全工連さんにお邪魔しましたら、全工連さんの加盟社数はかつて2万件あったのが今、7,400 社になりましたと言うことです。紙の需要などはそんなに大きく減っているわけではない。インキも減っていない。しかし、なぜこんなに厳しいのか。 一社一社の生産率は猛烈に上がっているわけです。逆に言いましたら、フォーム業 界の皆様にとって、先ほど言ったDPSという「D」がつく、「I」がつくという強みをどう考えられるのか。 そうすると、色が入ってくれば、データとかインフォメーションというデジタル的なもので対応しやすいデータを取り扱っている皆さんであれば、デジタルデータをうまく使いながら工程を管理していく。そういうことは当然考えなければいけないだろうということになります。 なぜCMSかといったら、デジタル校了化して目に見えないものをちゃんと工業製品として一定化したものをお客さまにお届けするということが大前提となる。なおかつコストを下げていくということがベースになるかと思います。 |
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今、デジタルカメラのデータでの入稿率は、トータルでいいますと5割以上です。RGBのデータが入ってきます。CTPがなぜデジタルの時代に一つの節目なのかというと、デジタルデータをきわめて安定的に出力ができる電子露光機だからなのです。 当然MTJさんの出力機も、我々の版材も安定していなければいけないということが、これを支えていくことになります。 お客様も、コーポレートカラーということに対して非常にこだわられたり、トヨタさんあたりですと、北海道で見る車の赤も沖縄で見る車の赤も同じでなければいけない。そういうような発想が必ず出るわけです。 したがって、トヨタさんは新聞広告をうたれるときに、各局各社共通の色を出しなさい、できないところには発注しません、という。そういうことがデジタルの世界でどんどん行われる。 そういうなかで、色基準を定めて我々は必ずこの色は出せます、という保証をどうするのか。 週刊誌とか雑誌業界のほうでは、JMPAという共通の色基準があります。そういうふうにお客様と一体化したような管理をやっていかなければいけないと思っています。 |
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プテーブルがどうだといったところで、すべては印刷から出発します。そして前にさかのぼります。 見当精度といったときに、フィルムであれば、版下精度がちゃんとしていなければいけません。次に刷版の精度がちゃんとしていなければいけません。そして版曲げ精度がちゃんとしてなければいけません。更に 版付け精度がちゃんとしていなければいけません。この四つが押さえられてはじめて準備が整って、印刷機のガタ等 印刷設備側に移ります。これで見当が合う合わないという話しになります。 デジタルデータをうまく使って、カラーのワークフローをちゃんとやり1回でおしまいにしようというというのが、CMSですべては印刷から始まります。 仕事がスムーズに流れるように、各システムがうまくデジタルのデータを使いながら、標準的な管理で自動化をやりましょうと言うのが、JDFです。 今は営業の方が作業指示あるいは受注伝票を書いて、それを工務の方が袋に貼りつけて回されているものが、デジタルのデータとして最後の加工まで流して行く。 そのなかにも、いつも同じように色がつきますというような仕組みのCMSが組み込まれています。 |
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