- 自費出版を考える
- 自費出版にチャレンジする
- 書籍/雑誌のかたちを知る
- 出版印刷の基礎知識を学ぶ
- 印刷を発注、出来上がりを待つ
- 実際の打ち合わせ
(1)仕様の決定
(2)費用見積り - 著者が取り組むこと
(1)原稿の提出
(2)納期の約束
(3)校正/校了 - 本の完成
(1)納品受領
(2)代金支払い
(3) 進呈・配布
- 実際の打ち合わせ
- 「電子出版」の動向を聞く
原稿の執筆に取り組む傍ら、いずれ印刷を頼むことを前提に、同じ地域にある印刷会社を訪れ、仕事の流れや段取りについて聞いてみることにしました。丁寧に対応してくれた印刷会社から新進気鋭の営業マンNくんを紹介され、ついでに「書籍や雑誌の基本的なかたちを知ることが大切です」といって、本づくりの極意を教えてもらいました。本をつくる場合、書かれている内容と同じくらい重視されるのがページごとのレイアウトです。読者に親しみをもってもらうには、何より可読性が大切なのです。そこでは、どんな書体のどんなサイズの文字を使い、行数と行間、行当たり字数、段数や段間のスペースなどを決めていきます。いわば、どのような組体裁にするかです。
最初にNくんから言われたのは「縦組にしますか、それとも横組にしますか? 章や項につける大見出しや中見出し、小見出しはどうしますか? 文字を組版した箇所(版面=はんづら)の周囲に取る余白をどのくらい取ると読みやすいと思いますか? 全体の統一感も欠かせませんね」ということでした。
次に忘れてならないのが組版ルールです。日本語組版では行を分けて組版してはいけない文字があったり、行頭・行末にきてはいけない文字とか記号があったりします。和欧文混植にしたときも、欧文の単語の途中で行を替えてはいけませんし、和文と欧文のあいだの字間の取り方などについて一定の取り決めがあります。「これらの組版規格はJISで定められているのですが、こうした専門的な禁則処理は素人ではできません。印刷会社がもっている専用の組版ソフトでおこないますので、一切お任せください」と、Nくんは力強く言ってくれました。
文字の書体をどうするかも大切なことです。書籍や雑誌で一般的に用いられる和文書体としては、明朝体、ゴシック体、楷書体、行書体、さらに隷書体などがあり、欧文書体ではゴシック体、ローマン体、イタリック体などがあります。
表紙、扉、本文、見出し、表のタイトルなど、それぞれどの書体を使ったらよいか、大変迷うところですが、書物のコンセプトにぴたり合うのか、読みやすいのかを考えながら選ぶしかありません。すぐさまNくんが「印刷会社には書体見本がありますので、書店に並んでいるいろいろな本を参考にしながら決めていくとよいでしょう」と後押ししてくれました。本のページをめくっていくと、表紙-見返し-本扉-序文-推薦文-目次-中扉-本文-中扉-本文-参考文献-後書き-著者紹介-奥付-見返し-裏表紙といった順番に並んでいるはずです。全ての本がこのようなページ構成となっているわけではないのですが、基本的なかたちはそれほど変わりありません。表紙の外側に、表紙カバーや帯を巻いてある本もたくさん見られます。中扉とは章を変えるたびに挟むページのことですが、省略して本文を連続させている本も少なくありません。
そして、本文ページには柱、見出し、本文、ノンブルなどの要素が、一定の組体裁に従って配置されています。縦組だろうと横組だろうと、2つに分かれているものを2段組、3つに分かれているものを3段組といっています。一つの行を上下あるいは左右に通してあるのは1段組となります。読みやすいように周囲に余白を確保すると同時に、行数/行間を上手に決めなければいけません。
本をつくるとき、1枚の紙の表裏に複数ページを印刷し、それを折って「折丁」のかたちにして、幾つかの折丁を重ねて製本するという工程を踏みます。版の大きさにもよりますが、通常、1枚当たり4、8、16、32ページごと(両面では、それらの倍となります)にまとめて印刷します。レイアウトの工夫や白ページの採用などで調整して、端数のページが出ないよう工夫しなければなりません。
「刷版の大きさや折丁の形態がからんできますので、総ページを決めるときは、最少でも4ページを基準に考えてください。そのことを台割といって、過不足のないようきちんとページ調整された原稿は、印刷会社にとっても大いに助かるんですよ」とNくんは言います。 本をつくるとき欠かせないのは、このよう造本設計の感覚をもつことで、見た目の装丁、製本方法の選択、表紙のデザインを決めることと同じように大切な問題なのです。
関連トピックス:
日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会 (GCJ)の「GCのトビラ プロ 制作お役立ち便利帳」
最初にNくんから言われたのは「縦組にしますか、それとも横組にしますか? 章や項につける大見出しや中見出し、小見出しはどうしますか? 文字を組版した箇所(版面=はんづら)の周囲に取る余白をどのくらい取ると読みやすいと思いますか? 全体の統一感も欠かせませんね」ということでした。
次に忘れてならないのが組版ルールです。日本語組版では行を分けて組版してはいけない文字があったり、行頭・行末にきてはいけない文字とか記号があったりします。和欧文混植にしたときも、欧文の単語の途中で行を替えてはいけませんし、和文と欧文のあいだの字間の取り方などについて一定の取り決めがあります。「これらの組版規格はJISで定められているのですが、こうした専門的な禁則処理は素人ではできません。印刷会社がもっている専用の組版ソフトでおこないますので、一切お任せください」と、Nくんは力強く言ってくれました。
文字の書体をどうするかも大切なことです。書籍や雑誌で一般的に用いられる和文書体としては、明朝体、ゴシック体、楷書体、行書体、さらに隷書体などがあり、欧文書体ではゴシック体、ローマン体、イタリック体などがあります。
表紙、扉、本文、見出し、表のタイトルなど、それぞれどの書体を使ったらよいか、大変迷うところですが、書物のコンセプトにぴたり合うのか、読みやすいのかを考えながら選ぶしかありません。すぐさまNくんが「印刷会社には書体見本がありますので、書店に並んでいるいろいろな本を参考にしながら決めていくとよいでしょう」と後押ししてくれました。本のページをめくっていくと、表紙-見返し-本扉-序文-推薦文-目次-中扉-本文-中扉-本文-参考文献-後書き-著者紹介-奥付-見返し-裏表紙といった順番に並んでいるはずです。全ての本がこのようなページ構成となっているわけではないのですが、基本的なかたちはそれほど変わりありません。表紙の外側に、表紙カバーや帯を巻いてある本もたくさん見られます。中扉とは章を変えるたびに挟むページのことですが、省略して本文を連続させている本も少なくありません。
そして、本文ページには柱、見出し、本文、ノンブルなどの要素が、一定の組体裁に従って配置されています。縦組だろうと横組だろうと、2つに分かれているものを2段組、3つに分かれているものを3段組といっています。一つの行を上下あるいは左右に通してあるのは1段組となります。読みやすいように周囲に余白を確保すると同時に、行数/行間を上手に決めなければいけません。
本をつくるとき、1枚の紙の表裏に複数ページを印刷し、それを折って「折丁」のかたちにして、幾つかの折丁を重ねて製本するという工程を踏みます。版の大きさにもよりますが、通常、1枚当たり4、8、16、32ページごと(両面では、それらの倍となります)にまとめて印刷します。レイアウトの工夫や白ページの採用などで調整して、端数のページが出ないよう工夫しなければなりません。
「刷版の大きさや折丁の形態がからんできますので、総ページを決めるときは、最少でも4ページを基準に考えてください。そのことを台割といって、過不足のないようきちんとページ調整された原稿は、印刷会社にとっても大いに助かるんですよ」とNくんは言います。 本をつくるとき欠かせないのは、このよう造本設計の感覚をもつことで、見た目の装丁、製本方法の選択、表紙のデザインを決めることと同じように大切な問題なのです。
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日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会 (GCJ)の「GCのトビラ プロ 制作お役立ち便利帳」
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