6.印刷に使われる[紙]の基礎知識 ―よく分かる10のポイント―/印刷百科 - ぷりんとぴあの小箱
表面を塗工処理した紙としていない紙があります
前項でご紹介したように、紙は多方面に分類されているのですが、印刷用に使われる紙には、具体的にどんな種類(品種)があるのでしょうか? それらはざっと以下のようになっています(日本製紙連合会の資料を参照)。①新聞用紙
機械パルプ、古紙パルプを含有する新聞印刷専用の巻取紙②非塗工印刷用紙
- 印刷用紙A
晒化学パルプを100%使用した印刷用紙の代表品種で、幅広い用途をもつ上級紙。 - その他印刷用紙
晒化学パルプを100%使用して、書籍用紙ほか辞書、地図など目的に応じて抄いたもの。 - 筆記/図画用紙
おおむね晒化学パルプを100%使用して、筆記や絵画に適するよう抄いたもの。 - セミ上質紙
晒化学パルプを90%以上使用し、一般印刷用に白色度75%前後を維持したもの。 - 印刷用紙B
晒化学パルプを70%以上使用し、白色度70%前後を維持した中級紙。 - 印刷用紙C
晒化学パルプを40%以上70%未満含み、雑誌や電話帳類用に白色度65%を維持。 - グラビア用紙
機械パルプを含み、写真の印刷に適するようスーパーカレンダー仕上げしたもの。 - 印刷用紙D
晒化学パルプは40%未満、白色度も55%前後に抑えた下級紙で、雑誌などに使用。 - 印刷せんか紙
古紙パルプを100%使用した特殊な更紙で、漫画雑誌などに使われるもの。 - インディアンペーパー
麻、木綿、化学をパルプ原料とする不透明な薄紙で、辞書や六法全書などに使用。 - タイプ/コピー用紙
晒化学パルプを使用して高密度に仕上げ、印刷適性、筆記適性をもたせたもの。 - その他薄葉印刷紙
1㎡当たり40g以下に抄いた、転写用紙、カーボン紙原紙などに用いるもの。
③微塗工印刷用紙
- 微塗工上質紙
印刷用紙Aの両面に1㎡当たり12g以下の塗料を塗布した白色度79%以上のもの。 - 微塗工印刷紙1.2
印刷用紙Bの両面に1㎡当たり12g以下の塗料を塗布した白色度68~78%のもの。 - 微塗工印刷紙3
印刷用紙Cの両面に1㎡当たり12g以下の塗料を塗布した白色度62~67%のもの。
④塗工印刷用紙
- アート紙
上質紙もしくは中質紙の両面に1㎡当たり40g前後の塗料を塗布した高級紙。 - コート紙
上質紙もしくは中質紙の両面に1㎡当たり20g前後の塗料を塗布したもの。 - 軽量コート紙
上質紙もしくは中質紙の両面に1㎡当たり15g前後の塗料を塗布したもの。 - キャストコート紙
平滑度を高めることで、アート紙以上の高光沢の表面をもたせた高級印刷用紙。 - エンボス紙
アート紙もしくはコート紙の表面に布目や絹目、梨地などの凹凸模様を施したもの。 - その他塗工紙
絵はがき、グリーティングカード類に使われるアートポスト、純白ロールコートなど。
⑤特殊印刷用紙
- 色上質紙
晒化学パルプを100%使用して抄いた、書籍の見返し、プログラムなどに使われる色紙。 - その他特殊印刷用紙
官製はがき、小切手、手形、証券、地図、製図、カードなど特殊用途に使われるもの。
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