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  「平成25年新春講演会」講演録 (平成25年1月24日開催)
「ファシリティ・マネジメントによる企業経営」
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"世界基準に遅れをとっている日本のファシリティ・マネジメント"
       講師 (株)エフエム・パートナーズ・ジャパン クレイグ・カックス氏
どうせ評判をつくるのだったら、管理しなさい。  
私の会社のある若いのが、ある工場で清掃契約したのです。前の業者があまり上手ではないからクレイグのところにお願いするよと契約を受けたのです。その契約するときに、前の会社の清掃がどうしても行き届かないということを聞いていたので、うちのスタッフ、特にその若いスタッフが一生懸命やるんですね。  
朝早く来て、階段の上の高いところに蜘蛛の巣があるところをあえて長い箒を持ってきてやるんです
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。食堂にも昼間入ってテーブルを拭いたりしたんです。絶対前の業者よりはよくやるよというパッションでうちの若い者がやった。
1カ月後のお客さまのミーティングの中で、お客さまは何を言ったと思う? 「クレイグのところが入って、清掃は全然よくなってないな」といった。彼はもうがっかりです。うそでしょ。絶対よくやっているのにと思っているんだけれども、評判が変わっていない。逆に悪いのです。「クレイグ、どうしてくれる」と私が怒られていることを本人に伝えました。
「どうすればいいんですか」「君、どんなことやっていたんだ」「従業員が朝6時30分か7時30分ごろ来るんです。それより早く来て邪魔にならないようにやったんです」「じゃ、次回は7時にやりなさい」と。みんながいるとき、「ちょっとすみませんけど、気をつけてくださいって、通っているときにやりなさい」といった。どうせやるなら評判をつくりなさい、と。  
FM、総務というのは裏方だから、見えないところでいろいろなことをやるのですが、どうせするなら評判をつくりなさい。管理しなさい。だってそうでしょう。あの会社に発注するか、こちらの会社に発注するかというのは、値段がイコールだったら、あとはブランド、評判です。  
この人を昇格させるか、こっちの人を昇格させるか、会社の中でいつも話があります。何で決めますか。評判です。実績ではないのです。  
評判は、管理するものです。評判の管理の手法として期待管理です。  
皆さんは、特に若い男性に話をしますと、家を朝出るときに奥さんに、「今晩、何時に返ってくるの?」と聞かれることがあります。  
最近、かまってくれないので聞かれませんが、若い頃は、「今晩、何時に帰ってくるの」と聞かれましたね。「今晩はたぶん8時ごろになるよ」といって出かけるわけです。「8時に帰る」といって10時に帰ったらどうなりますか。評判は落ちてしまった。  
では、10時に帰るんだけれども、評判落としたくないからどうすればいいですか。電話する。「8時と言ったけれども、ちょっと仕事が入ったので10時くらいになりますよ」といって、10時に帰ったら評判落ちますか。落ちません。期待管理をしたからです。  
8時と言って10時に帰るんだけれども、評判の上げ方がありますか。どうせなら8時といったんだけれども、10時になる。電話をしておけば評判は落ちずに済む。評判を上げる方法はありますか。  
「たぶんかなり忙しいから11時くらいになるよ」といっておくのです。10時に帰ったときには、「でも、早く帰りたかったから、一生懸命仕事を終わって10時に帰ってきた」という。そうすると、「ありがとう」と評判が上がる。  
同じ10時です。これは本当の場合ですよ。「本当は帰りたくない」といったらだめですよ。評判管理、期待管理は、ウソをついてはいけない。本当のことを知らせるためです。これが大事です。
ですから我々は同じことをするにあたって、例えば会社の中に、4階にコピー機が二つあります。これを一つ、新しい速いスピードのやつに置き換えますというプロジェクトがある。これを、月曜日、着いたら社員が、二つの機械が一つになっていることに気がつくのです。これをある人は、「ありがとう。新しいものが入りました」という人もいれば、「よくないね。もっと近くにあったのが、あんな遠くまでいっちゃったんだ。なんで替えたんだ」という人もいます。  
やったことは同じです。評判が違うのです。同じ説明をしてもある人からは「いい」といわれ、ある人から「悪い」といわれる。この場合はどうすればいいのですか。これが悪い評判になってつながっていくのです。これをなくすことがプロフェッショナルです。この違いはほとんどコミュニケーションです。  
これをします。これを受けた対象者は、それを「いい」と評価することはコミュニケーションなのです。月曜日を待たずに、入れる前からユーザーたちを集めて、「今度こういう理由で、こうで、こういう対応しますから、コピー機をこう替えますよ」といって、コミュニケーションが充実されていて理解してくれれば、月曜日の朝、批判する人はいない。評判は、コミュニケーションから来るのです。
ちょっと経営者に話しましょう。皆さん、もう人を育てる立場にいますから。  
FMというのは学校で学ぶものではないです。経験しかないのです。私も20何年これをやってきましたが、経験しかないのです。皆さんの世界でも経験で学ぶことはたくさんあります。ですから、スタッフを早く育てたいのだったら経験させることです。経験をいかに早く覚えさせるか。
でも、経験させたら何が起こりますか。失敗が起こるのです。FMは、経験から学ぶし、失敗から学ぶの
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です。ですから、人を育てる一番大事な要素は何ですか。人が失敗していい環境をつくることです。  
経営者、マネージャーは、失敗していい環境をつくる人間がマネージャーです。失敗をしてはいけない、失敗したら怒られる、失敗したらどなられる、失敗したら絶対この会社、先がないと思った人間は、どうなりますか。リスクを取らない。新しいことをしようとしない。改善をしようとしない。  
失敗を防ぐ一番いい方法は、マンネリ化させる事です。同じことを繰り返していれば、失敗は起こさないのです。育つ人、提案する人、お客さまにすばらしい発想をする人。"This is MY company.""This is MY Okyakusan""This is MY shouhin"というプライドで動きだす人は、失敗を恐れません。失敗を恐れている人は絶対そうなりません。
ですから、ファシリティ・マネージャーが育つためには、失敗を恐れないような環境でいなければいけない。ですから、私は、社員が出かけるときには、「いっていらっしゃい」といわない。「失敗していらっしゃい」という。「君は、失敗する役、私はお詫び役。問題があったら、まずおれに言え。おれはお詫びにいくから。でも、お前は、心配せずに失敗してこい」。これが人を育てる基本です。  
子育てもそうです。子どもは、絶対思ったとおりにいかないのです。それをいかに思ったとおりに育てとやったら、あなたが疲れるだけです。  
そうではなくて、失敗した子どもをいかにその失敗を通して大人にしていくか。これが親業です。  
マネジメントもそうです。人は失敗から育つ。皆さんもそうでしょう。失敗は忘れません。成功は大体覚えていないです。失敗は忘れない。だったら、あなたの会社を強くするのであれば、失敗していい環境をつくることが成功につながるわけでしょう。  
ですから、FM CREDOでは、あなたは失敗をおそれる人間であるかぎり、あなたは育たないと教えているので、FMは体で覚える、FMは失敗から学ぶんだから、失敗してこいということで、私は始末書を富士通で3回書かされました。いまだに覚えています。でも、それは会社のためだと思ってやったことが、結局はいろいろな裏が出て始末書を書かされました。多くのお金を無駄にしました。でも、勉強になりました。社長は「始末書を書け」といいましたが、そのあとにはちゃんと信用してくれました。やはり心は伝わったのです。
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