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  「平成25年新春講演会」講演録 (平成25年1月24日開催)
「ファシリティ・マネジメントによる企業経営」
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"世界基準に遅れをとっている日本のファシリティ・マネジメント"
       講師 (株)エフエム・パートナーズ・ジャパン クレイグ・カックス氏
なぜですか。I am a doctorです。病院にいったからドクターではないのです。ドクターだから病院で働いているのです。日本に必要なのはファシリティ・マネージャーです。会社で総務をやれといわれたからいるのではないのです。ファシリティ・マネージャーだから総務をやっているのです。
エンジニアは、エンジニアだからエンジニアリングをやっているのです。そういう営業マンがいたらいいでしょう。「私は営業マンだからずっと営業やらせてください」。営業のプロですよ。ファシリティ・マネージャーの人も、総務の人も、私はFM総務のプロなのですよ」と。  
プロは何ができますか。改善です。私は改善人間です。24時間、いつもどこにでもいけます。  「改善をしなさい」といったら、皆さんどうしますか。「改善のプロセスを会社に入れなさい」といったら、やり方を知っていますか。どうやりますか。ああ、そうだ、クレイグがきょう改善をするべきだといったから、きょう私、家に帰ってこれから改善人間になろうと思って、何をしますか。どうやったら、あなたは改善人間になりますか。  
難しいと思うでしょう。なかなかできない。そうではないのです。簡単なのです。目標を持ちなさい。  
目標を持つだけなのです。だから、「目標の無いFMはFMではない」というこのCREDOはどういうことだと思いますか。  
目標の無いFMは、何ですか。管理総務です。毎年同じことをやっている総務は、何でそうなりますか。目標が無いからです。目標をつくった瞬間、目標は何を意味しますか。目標は、今が不十分だということを認めていることなのです。目標を持てるということは、今が不十分だということなので、目標を持つことだけで改善が生まれるのです。改善的発想が生まれるのです。  
目標の無い人は改善をしません。目標を持っている人は改善します。だから、「改善しなさい」といってもしょうがない。「目標を持ちなさい」といったら、人が変わる。会社が変わるのです。目標がFMです。  FMは改善ですから、当たり前のように目標がなければいけない。だったらどうやって目標をつくりますか。目標をつくるのも簡単です。  
"You can't manage what you don't measure."「計測しないものは管理できない」と日本語に訳していますが、これは、FMの世界では有名な表現です。  
測らない、測定しないものは管理できません。何でも測れます。「受付に先月に何人来ましたか」「35人来客者がありました」。これはいいことですか、悪いことですか。データですからわかりません。情報にすれば、「去年は20人でしたが、今年は35人」というように比較していくと、情報になっていきます。  
この「35人」を聞いた瞬間、「去年は20人、でも、50人にしたいね。35人は低いね」と。「ここの家賃は坪3万円というと、やっぱり高い。では、2万5,000円にどうやってするか」。測った瞬間、発想が出るのです。測れば目標が生まれるのです。「今は1人当たりの売上が会社の中で80万円です」といったら、「100万円にしたい」。測ることによって、データ化することによって、メジャーすることによって目標が生まれてくるのです。  
毎月、伝票処理をするのに総務のおばちゃんが3日間かかっている。いくらなんでも伝票処理に3日かけるのは情けないと思うでしょう。なぜわかったか。測ったから。3日かかったとわかったから。  
3日かかったとわかったら、何とか2日でしようと思う。そうすると、どうやってするのかというと、伝票、請求書を送ってくるな、と。いろいろなやり方をして処理時間を減らしていく改善が生まれるのです。なぜ改善が生まれましたか。測ったからです。測ったから目標が生まれて、目標が生まれたら改善が生まれるのです。  これをFMでは、「MeGAKA」(メガカ)といっているのです。
残念ながら、日本にファシリティ・マネジメントが入ったときに、だれかが間違って、FMはPDCAだと教えてしまったのです。PDCA、つまりPlan Do Check Action、大事な原則です。  
どこから来た原則ですか。プロセスですか。違います。品質管理、生産管理です。戦後の日本で、生産計画として、これをきょう100個つくりましょうと1950年に決めたとしましょう。1950年の日本で100個つくろうと思ったら、終ったその日の結果は、何個できたと思いますか。
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50個です。不良品が多かった。部品の問題、工程の問題、生産機械の問題、いろいろな問題があったのです。ですから、戦後の日本の生産技術は世界でも「メイドインジャパンというのは品質が悪いといって評判だった。  
それでPDCを入れたのです。Plan−100個つくること、つくった−Do。Checkは、100個つくったけれども、不良品が何個あったかCheckする。50個しかいいのができなかった。そうすると、どうやったらもっと品質を上げるかといってActionを起こして、PDCAとなる。また次の日何をしますか。Plan−100個つくる。
PDCを回すことによって、100個つくる計画に100個できる品質が日本でできた。PDCにないことは、100個からの改善がないのです。PDCAは、100のプランに対して100できることのためにできたプロセスです。会社を去年の100万円の利益を200万円に今年しようというのは、PDCAではないのです。PDCAは、今の生産計画を何とかパーフェト品質で高めていく。  
FMは改善です。きょうよりも明日、明日よりもその次、会社を成功させていくために絶えずいかに間接経費を上手に使うか、もっとやり方ないか、やったら、もっとないかということを絶えず考える人が、ファシリティ・マネージャーです。ですから、私たちはこれを「MeGAKAを廻す」といいます。PDCAではない。私は、これを最近の日本のFMで一生懸命教え始めました。まずはメジャーするのです。何でも測るのです。測ったら何が生まれますか。目標が生まれます。  
Goalというのは、日本人の頭の中ではマラソンのゴールみたいに、到達点みたいなイメージがあるらしいですが、英語のGoalは、日本の「目標」という意味で、目標を達成したら次の目標をつくればいいだけのことであって、Goalは「目標」と思ってください。 メジャーがあって、目標があって、次にアラインメントを確認するのです。ここをコストダウンしようとしているけれども、それは実際にいいことかどうか、会社にとって正しいかどうかを確認した上で、改善計画を立ててアクションを起こすのです。  
アクションを起こしたら、またメジャーすればいいのです。絶えずメジャーする。そうすると、また目標が生まれます。達成できれば違う目標が生まれます。達成できなければ同じ目標にまたもう一廻せばいいのです。
なぜこれを皆さんにきょう教えているかというと、皆さんがこれから印刷の世界からいろいろなほかのビジネスとかサービスをお客さまに提案するときに、何が皆さんの会社とほかと違うんですかといったら、こういう説明を私はするのです。  
皆さんの今の管理体制から戦略体制にもっていくために、このMeGAKAを廻せば自然と会社が戦略的になっていくというスライドを使って説明するのです。  
皆さんも説明すればいいのです。私たちは、このプロセスを入れることがノウハウなのです。これを練習すればいい。自分の会社の中で練習すれば、自然とこのノウハウが、管理体制から戦略体制に移っていきます。これを商売にしていけばいいのです。  
分野は関係ありません。プロセスは同じです。今後は改善マンにならなければいけないのです。これがグローバルでいっているFMです。
最後にいくつか、簡単に説明させてください。  
ペースが速くてごめんなさい。英語でこういうのを"It's like drinking water from a fire hose."という表現を使うのです。消防のホースから水を飲んでいるような気持ちしませんか。パーッパーッときて飲みきれない状態で、本当に申しわけないです。これをゆっくりまたどこかで一緒に考えていきましょう。きょうは駆け足でバーッと入ってしまうので、ただイントロで圧倒されるだけで十分ですね。いずれまたゆっくりやりましょう。
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