す。 このように勝手に皆さんが自分でグラフをつくってアップロードして、これだと「東京電力の株価と配当利回り」というのを勝手につくっている方がいらっしゃるわけです。これを自分のプレゼンテーションに使いたいなと思ったら、データごとダウンロードする場合は105円、画像だけでよければ52円でダウンロードできるのです。これだけのグラフをつくろうと思うと、材料込みで考えたら、30分、いや1時間どうしてもかかってしまいますので、それが100円か50円だったらいいやと思って、実は私もこのグラフを買ったわけです。そんなことが、すでにネット上では当たり前のように起きているということです。
これは私のブログです。鍋島さんのお名前もここにあります。ブログに「講演資料を作らなければいけないんだけど、友達のお芝居があるのでちょっと出かけてきました」みたいなことを書いています。私のプロフィールの最近の更新をみますと、こんなふうに私がTwitterで書き込んだものがこちらにもコピーされています。
ちなみに私、先週の土曜日にゴルフにいったのですが、これは私がTwitterに書いたものを読んで、山口さんがコメントしてきたものです。山口さんとしては「ゴルフに行っていないで講演資料を作れよ!」ということかと思いますが(笑)、こういうことが日々起こっているわけです。
それから「日記」というところを見てみますと、先程、私のブログで紹介したものがGREEのほうにコピーされています。
こんなふうにどこか一つ更新すれば、全部同期してくれる。そんなことが「普通のこと」になっているということです。
こちらは私のTwitterのアカウントです。このような感じになっています。
因みに「つぶやいている」という訳はあまりいい訳ではないと思いますが、このようにいろいろなつぶやきが書かれているわけです。
とにかくいろいろなプラットフォームの中で情報が自動的に複製されていくということで、写真にしても、文章にしても、一度作ってしまえば、どこにでもそれを複製することができる。そういう便利な時代になっているということです。パーソナルなメディアがたくさん出てきているということです。
そういう意味で、メディアがパーソナル化されているということですし、ソーシャル化というのは、みんなでコンテンツの作り手となりシェアしていく、というような概念だと思っていただければ結構です。
そして、ネットの中ではいろいろなものがオープンになって、相互に開放されてきているというふうにご理解いただければと思います。
では、最後にもう一つだけご覧頂いてスライドに戻りたいと思います。
これは、「ケンコーコム」(http://www.kenko.com)という、薬とか健康食品のECサイト社長の後藤さんという方が、ここに書いてあるとおり「日本外国特派員協会」(FCCJ)で数日前に講演されたものです。
それを、私も知っている方ですが、平田さんという方がブログにアップロードされていたのです。何がすごいかというと、ソフトバンクの孫さんが、まだ未公開の会社にも関わらず18億円も出資したUstreamという会社のソフトを使うと、iPhoneでも動画中継ができてしまうわけです。それで平田さんという個人のブログにアップロードされているわけです。 このように個人でも生中継ができてしまう。政府のいろいろな記者会見なども、一個人に対してもオープンにされ、これからはマスメディアといわれているテレビ局ではなくても、どんどん勝手に自分たちで番組をつくって放送することができる。こういう時代に実際なっているわけです。
ですから、この時代が数年早くきていれば、堀江さんはひょっとしたらニッポン放送の株を買わなかったかもしれませんし、三木谷さんもTBSの株を買わなかったかもしれない、というくらい大きなインパクトがあることだと思います。 |
|
画像をクリックしてPDFを表示します |
|
|
こんなことが日常茶飯事起こっているわけですが、私はこういう概念で整理しました。
メディアのパーソナル化というのは意味が2つあります。
ひとつはテクノロジーの進歩により、個人で色々なネット上のメディアをつくれるようになったということ。あとは、以前から言われていることですが、人々の価値観や興味関心が多様化してきていること。この2つの側面があると思います。
新聞であれば、鍋島さんの会社の親会社の朝日新聞でも、読売新聞でも、日経新聞でも、一面の記事は、当然のことながら編集のいちばん偉い人が決めるのだと思いま |
|
す。でも、ネットを日々使っていらっしゃる方は、検索をしてニュースを見ますので、その人にとっての一面は、その人にとっての興味関心事でしかないということになってくるわけです。
そういう意味で、メディアというものが自分用にカスタマイズされてくる。それがプラットフォームとコンテンツがアンバンドル化されていることで可能だということです。
話は変わりますが、昨年の11月、日経新聞が私をエンジェル投資家として紹介したいということで取材を受けました。その記者の方に、インターネットというのはどういう変遷を辿ってきて、いま何が起きているかということを2時間半をかけてレクチャーして差し上げました。それで、エンジェル投資家というのだったら、私なんかよりも、元カカコムの社長をやっていた穐田さんという人がいるから、ぜひその穐田さんのところに行ったほうがいいですよ、と紹介して差し上げたのです。
穐田さんが2年前に出資された「クックパッド」(http://cookpad.com)は30代の女性の7割がアクセスしている料理レシピサイトです。これは個人個人が自分で作ったレシピを勝手に投稿するサイトですが、それがいま時価総額300億円ぐらいついているとんでもない会社になっています。そういうことが実際に起きている。そういうことを「メディアのソーシャル化」と呼んでいるわけです。
2000年代の前半ぐらいまでは、ソフトウエアはパッケージを買ってきて、CD-ROMでインストールして使っていましたよね。それが、ライセンスを持っていれば、ダウンロードして更新できるようになりました。しかし、ソフトウエアがアップグレードされていくと、どんどん高性能で重たくなりますから、マシンのスペックもそれに合わせて上げていかないと走らなくなってくるということで、マシンも買い換えなければいけないとか面倒でした。お金もかかりますし・・・。
そういうことが、例えば、Googleの場合、色々なアプリケーョンがGoogleの巨大なサーバ側にあって、そこにブロードバンド経由でアクセスして、私のメールもスケジュール機能もそうやって使っている、そういう時代になったわけです。これも、メディアというか、アプリケーションの「ソーシャル化」です。
ところで、今日の講演タイトルに「既に起こった未来」と書いて参りましたが、こんなチャートをご覧になっていただければと思います。 |
|
画像をクリックしてPDFを表示します |
|
|
これも先ほどご紹介したvizooで購入してきたものです。緑の棒グラフが日本の実質のGDPです。いちばん左が1986年で、いちばん右側が2009年です。1990年代の半ばまではGDPが伸びてきていますが、ここ10〜15年くらいは「失われた」何とかで伸びていないわけです。
ポイントは、インターネット以外のメディアはすべて、途中から右肩下がりになっているということです。
ちなみに、2000年から2004年までは市場規模が数百億ぐらいしかなかったインターネットは、2009年には6,000億円を超えており、5,400億円くらいマーケットが伸びたわけです。それに対して新聞のピークは1990年あたりだと思いま |
|
すが、そこから比較すると5,700億円のマーケットを失っている。また、2000年〜2009年では、4,500億円くらい新聞マーケットがシュリンクしている。これが現実です。 |
|