日本フォーム工連について
トピックス&ニュース
委員会情報
セミナー・イベント
各種データ
出版物案内
会員企業の紹介
会員企業掲載お申し込みはこちら
お問い合わせ
セミナー・イベント
   

 日本フォーム印刷工業連合会 業務委員会主催
       平成21年度 第2回講演会 (平成21年6月25日開催)
     
「どうしたら良い会社になるか」 
       元気創造コンサル日本一 
       古田土公認会計士・税理士事務所 古田土 満 氏

 ディズニーランドでの感動的な話は結構あるでしょう。ディズニーランドに行ったら、夫婦2人で行ったのに3人分を注文した。お子さまランチまで入っていました。「なんでお子さまランチなんですか」と聞いたら、「亡くなった娘がディズニーランドに行きたかった。だから、その娘と3人で来たつもりで注文しました」、ウエイトレスは子ども用の椅子を出して、「どうぞ3人でお楽しみください」といわれた。その話に感動したという話はいっぱいあるでしょう。 
 「六花亭に、閉まったあと行ったら、わざわざ店をあけてくれた。そのサービスに感動した」と。そんな話はいっぱいあるわけです。しかし 簡単にできてしまいます。前もって言っておけばいいんです。「そういうことがあったら、そうやりない」と。うちは全部そのやり方です。毎朝、朝礼で確認します。「経営計画発表会があれば、資料はつくりなさい。お客さまがいたら、会話に少し加わりなさい。食事は一切したらだめですよ。飲んでもいけません。お客さまが帰られたら飲み食いしなさい」。そういうふうに前もって必ず言っています。
 そうすると、お客さまが話しているときはだれも話していない。私語している社員はだれもいない。みんな聞いてなくてもうなずきながら聞いているわけです。そういうことは毎日、言っています。それが教育です。ですから、社長が本気になってやろうとすれば、会社というのはあっという間に変えられるのです。
 私、いろいろな経営計画発表会に出ていますが、みんな会社の夢と社長の夢はいうのです。「こういう夢を持っているんだ」とか「こうなりたい」とかいう。何が欠けているかというと、社員の夢が欠けているのです。
 聞いているのは社員なのに、自分の夢と会社の夢しか話さない。私どもの今年の経営計画発表会で一番重視したのは、社員の処遇です。書いてあるのは大した量ではないが、同業者の皆さまの10%増しの高給与とか、終身雇用するとか、給与は年功、家族重視、賞与は実力。
 私どもは、家族も、1人目の子どもが生まれると1万円、2人目は1万5,000 円、3人目は2万円、4人目も2万円。20歳になるまでか勤めるまで、給与をアップして毎月支払う仕組みです。うちで一番子どもが多いのは5人です。だから、彼は、仕事に関係なく9万円の家族手当てをもらっているのです。それはうちの方針なものですから。ですから、どんどん生めよ増やせよ、の方針でやっています。ですから、あと、3人くらい子どもが増えます。10月24日と10月25日と7月25日に生まれる報告がある。そのたびに給料が上がるのです。なぜなら、社員と家族が大事ですから。
 定年は65歳。長く働ける職場環境こそ最高です。ですから、65歳までは給料はちゃんと上がっていく。65歳になったら、ちゃんと退職金を払って、そのあと嘱託になる。定年後は、嘱託で1年契約で70歳まで勤務可能です。給料はいままでの半分になります。ですから、1,000万円もらっていれば500万円です。パート・嘱託は、65歳より75歳まで1年契約で勤務可能です。70歳になったらパート・嘱託に替えて、月のうち半分働いてください。また給料半分ですよ。そうすると20万円くらいになります。ボーナスはないですが。そうすると、75歳まで勤務可能です。
 これは今ですから、やがて80歳になるかもしれません。そのために会社は利益を出して蓄積しているのです。それを常に説明しています。ですから、経理も公開しバランスシートも公開しているわけです。今も大事ですが、そういう第2の人生も大事ではないか。
 子会社経営、持ち家貸付制度とか、「全社員に社長、役員になるチャンスを与える」とも書いてあるのです。そのための未来構想として、2012年まで経営計画書に書いてある。2012年になると、子会社経営、持株会社にして、東京はじめいろいろなところに子会社をつくる。コンサルタント会社です。そうすると、社長がどんどん出来上がってくる。あなたも社長になりなさいと。いっぱいお客さまがいますから、そのお客さまを渡すわけです。
 そして子会社化していって、そこの給料は全部自分で決めていい。そうすると、3人役員ができます。うちの今度の社長も、2代目は息子とか、そういうものではない。必ず社員から出しますよ、と。
 税理士法人にもして、地方にも設置できます。そうすると、あいている部分がいっぱいある。うちの社員のなかには、取締役が空欄になっているところがありますから、そこに自分の名前を書き込んでいる社員もいるんです(笑)。「将来、4年後に私は役員で、社長になるんだ」なんて言っているのもいるわけです。でも、社長といってもいろいろな社長があります。
 未来を見られるようにしているのです。計画はほとんど実現しているわけです。毎年10人くらいずつ社員を増やしている。それはそのとおり実行されています。だから、社員も意外と信用しています。社員に常に未来を見せてあげています。少しずつ成長するということを常に見せていく。
 それが可能なのは、市場にはお客さまと競争相手しかいない。でも、我々の競争相手というのは、まだまだすばらしい技術とすばらしい人はいるのですが、意外と挨拶、礼儀、計画などはできていないのです。お客さまの立場になるということですが、みんな自分の立場でやっていることが多い。
 お客さまがいっぱいいる。270 万。個人事業まで入れると、410 万事業所です。本当にお客さまのためと考えてやっている人は少ないです。それを経営計画書のなかで明確に打ち出しています。そして、そのために挨拶とか礼儀とか、社員の言葉づかいを一つひとつ教育しています。
 それとともに「数字」ということがあります。私は社員に常々いっていますが、商売というのは、絶対負けてはだめです。負けてはだめだというのは、競争に負けてはだめだという意味です。値段を負けてはだめだということではない。
 あるとき社員が「いい記事が書いてあります」というのです。それを見て、「おまえ、これをお客さまに配ったの」といったら、「1社か2社に配りました」という。 「これを読むと、間違っているから、お客さまを勘違いさせる」。それは何かというと、「今、だんだん競争が厳しくなったから、価格競争になっている。価格競争になって値下げ競争に参入してはいけない。自分のところのブランド力とか個性を磨いて、高付加価値のところにいかなければいけない」という記事です。  

 「お客様がこの記事を読んで、そのとおりやったら、会社はつぶれるよ」といった。テレビやマスコミでそんなこといって、そのとおりやったら間違いなく会社はつぶれます。相手が値下げしたら、こちらも値下げしなければいけない。本当です。
 値段に関する稼ぎ方というものがあるのです。先日、ある酒屋さんからこういう質問を受けたのです。自分より大手が、自分の居酒屋さんに参入してきた。300万円、販売奨励金を出す。だけど、5年契約という条件を出してきた。その居酒屋さんの社長が来て、「この会社

講演資料4 (画像をクリックして拡大)

がこういうふうに言ってきたけれども、300万円出すから、できたらお宅とつきあいたい。300万円は魅力的なんだ」という。
 その社長はまだ30代ですが、「こんなことやったら、つぶれちゃう」。だけど、私は言ってあげたのです。「社長、のまないと、かえってうちがつぶれちゃうよ」と。だって、月商いくらかと聞いたら、「300万円」という。粗利何%かと聞いたら「13%」という。そして12カ月です。だいたい電卓で入れると468万円です。掛ける5年で2,340 万円。それから300万円を引きます。
  そうすると、5年間で考えてみたら、いままで2,340万円の粗利だったのが、2,040万円になるだけです。断ったら、2,340万円全部だめになります。居酒屋さんは、いままでどおり、同じようにトラックで荷物を積んで回っているのですから。
 「社長、そんなこと考えたらだめですよ。ただ、その300万円を取り引きしながら、いかにコストを低くするは大事です」といって、やってもらいました。
 ライバルが来て取られてしまったら粗利が全部なくなってしまいます。「じゃ、所長、逆もありますね」という。「そうですよ」といった。自分が回っているんだから、ライバル会社を同じ手を使って300万円販売奨励金を出して、うちに替われませんか」と営業活動をかけて、それで変わってきたら年間2,000万円粗利が増える。でも、トラックの台数、人間は変わりません。そうすると、粗利という面積が増える。
 商売のなかの事業構造というのがあるのです。商売は負けてはいけないのです。負けてはいけないということは取られてはいけないということです。取ることを常に考えながらやらなければいけないということです。
 会社の構造的に考えていくと、ゼロがあって、売上があって、費用があるわけです。こちらに数とか時間軸を取る。事業を単純化すると、「売上高=P×Q」で、Price × Quantity、これが売上です。
 売上は一直線ですが、経費は二直線から成り立っているわけです。要するに、売上高に対してかかる変動費と、売上高に関係なく掛かる固定費、その二つの要因から成り立っているところが特徴なのです。
例えば印刷業は、大雑把にみると、変動比率は50%くらい。そうすると、ここが損益分岐点。固定費の高さと売上高が同じところが損益分岐点とします。
 そうすると、変動費が50%ということは、粗利益が50%ということです。数字の呼称で考えていきますと、「P×Q」で「売上」です。そうすると、これが50%で、ここが50%です。これがVQ(変動費)、これがPQ(売上)、これがMQ(粗利益)、これが粗利。こういう図になります。
 要するに、今、事業構造のなかで変動費とは何かというと、変動費というのは、我々でいうと、変動費というのは、材料費と外注費なのです。場合によっては商品仕入れを入れてもいいかもしれません。その占める割合が変動費。それを引いたのが粗利益なのです。皆さまの損益計算書を見たときに、製造原価のなかに労務費とか経費が入っていたら、経営を判断するときに誤ってしまう。要するに、製造原価報告書を見ながら判断していたら、競争に負けてしまうのです。
 もし1億円が損益分岐点だとするならば、ここの高さは5,000万円。変動費5,000万円で、固定費5,000万円です。実際の損益計算書を見ると、製造のほうに労務費とか経費が入って製造原価になって、売上総利益などが出ているわけです。
 ところが、一番最後のページ「月次損益計算書」を見てください。労務費とか経費は一切製造原価のなかに入っていない。工場の労務費とか経費というのは、すべて販売費のなかにぶっ込んでしまっています。それは、経営の正しい判断をしてもらうためにそういう出し方をしています。
 そうすると、1億円が1億1,000万円になったと仮定します。この高さは1,000万円です。当然変動費は500万円です。固定費は変わらない。
 そうすると、利益はここのG、売上の高さと固定費プラス変動費のGは500万円です。ですから、ここも500万円です。「売上高×限界利益」。固定費を賄ってしまうとここで、「売上高×限界利益」が、固定費一定だからすべて利益になる。
 1,000万円売上が増えるということは、この上で500万円増えて、売上500万円、変動費500万円。下で売上500万円、粗利益500万円です。
 そしてこの固定費はここまで持ってきて、これはFで、今は同じように5,000万円で、損益分岐点ですが、これがすべてそのあとのGの500万円になるわけです。これが損益の構造です。1,000万円増えるということは、変動費と粗利が増えて、固定費がかからなければ、こうなりますね。そうすると、ここは、これだけ利益が出ることになる。これが損益の構造です。

←前のページへ 次のページへ→
   
    Copyright (C) 2007 JAPAN BUSINESS FORMS ASSOCIATION. all rights reserved.
業務委員会
資材委員会
国際委員会
市場委員会
技術委員会
環境委員会
会長あいさつ
概 要
あゆみ
事業活動
役員紹介
各地区事務局連絡先
理事会情報
規 定