<リーディングサプライヤーーのメーン出展機>
こちらにリーディングラベル印刷機メーカーのメーン出展機を羅列したのですが、ニルペーター(デンマーク)は、会期中に30台ほど商談が成立したようですが、「MO4」という第4世代機(オフセット/コンビネーション機)を中心に注目が集まっていました。同機には、先ほど説明した「スリーブシステム」を投入したことで、交換だけを時間にすると1分しかかからない、というプレゼンテーションで多くの業界人の注目を集めていました。
ガルス(スイス)という歴史あるラベル印刷機メーカーも、 |
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「ICS−430」という原紙幅の広いものを出してきました。会場では、ウェットグルーの飲料ラベルの製造デモなど行い、ラベル印刷機であっても粘着だけでなくウェットグルー、UVフレキソだとシュリンクなど、いろんな技術のラベルを製造できるといった部分をPRしていました。ちなみに、展示されたデモ機は今回ツアーで視察に行ったラコ社に導入されています。
最近、販売台数を伸ばしているオランダのMPSは、オフセット/コンビネーション機「EO」シリーズを出品し、オフセットユニットについてワイドオフセットメーカーのドレントゴーベルのユニットを使い、ナローからミドルのほうに向かって動いています。
マーカンディーは、アメリカの老舗ラベル印刷機メーカーですが、コムコ「C2」という、従来のラベル印刷機とは思えないようなデザインのミッドウェブのフレキソ印刷機を出してきました。これはアメリカの市場にターゲットを合わせていることもあって、シュリンクフィルム、紙器、ラベルの生産すべて小から中、大ロットまでできるということをプレゼンテーションしていました。 |
<リーディングメーカーのメーン出展機(フォトリポート)>
これが先ほど説明したニルペーターの「MO−4」です。ここのところのシリンダーを交換するとジョブチェンジができるということです。それが「新技術のシリンダーチェンジシステム」になります。
隣は、ジ・ドウェというイタリアの会社ですが、これもコンビネーション機で、こちらの交換は、棒につり下げてユニットを取り、そして交換するというすごくユニークなデモンストレーションを行っていました。
ラベルエキスポでは恒例となるのですが、このようにサン |
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プルロールが必ず置いてありまして、例えばこの印刷機で刷ったものをスタンドにつらし、来場者がカットして自由に持っていけるのです。ルーペで見当精度を見たり、実際にこんな印刷ができるのか、ということを確認している様子はどこのブースでも見られている風景です。 |
<IJプリントシステム>
次にインクジェットプリントシステムの台頭ということです。
同技術は、ラベル向けの印刷システムとしての実用化が、今年のラベルエキスポヨーロッパ07の最大のトレンドになりました。主な出展数だけを見てもこれだけあります。相当トレンドになったのだということをおわかりいただけるかと思うのですが、ニルペーターの「キャスロン」というのは上位機種で、フルカラーUVインクジェットでインライン、オフライン両方できる仕様になっています。
エプソンのインクジェットラベル印刷機は、日本の「IGAS」 |
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でも出展されて注目されていたのですが、エプソンヨーロッパからフルカラーの顔料系のインクジェットとして出ていました。
EFIは「Jetrion4000」を出品。こちらもラベルエキスポアメリカ、前年の展示会で、プロトタイプで出ていたものがほぼ実機としてフルカラーUVインクジェットとして紹介されました。
あとは、サンケミカル、インピカ、アトランティックツァイサー、日本のコニカミノルタさん、こちらも単色UVインクジェットユニットとしては高速性能でかなり注目を集めていました。
ドミノのKシリーズは、ラベル印刷機にユニットを搭載することでQRコードやバーコード、可変情報、可変データすべて打っていけるもので、これは単色UVなのですが、スポットカラーも加えられますので、黒だけではなく、ユニットを追加搭載すれば色数は増えていくという可変情報印刷を自由にできるというものが注目を集めていました。 |
<efi(米)−「ジェットリオン」シリーズ>
少しメーカー別に傾向をお話ししたいと思います。
アメリカのefiは、「ジェットリオン」シリーズを発表しました。「ジェットリオン3000」は、先ほど言ったようにモノクロ、スポットカラーインクジェットシステムで既に200 台くらいの販売実績があるのですが、いろんなメディアに可変情報を高速で印刷できるもので、日本でもこの「ジェットリオン3000」シリーズの導入がこれから見込まれるのではないかと予測しています。
こちらの「ジェットリオン4000」は、人に隠れて全然見えな |
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いのですが、これは当社のツアー専門にプレゼンの時間を用意していただき、じっくりと説明していただいたスタンドアローンのフルカラーUVインクジェットシステムです。
同機には、検品機をインライン化して展示してありましたので、ラベルを印刷して検品し、そのまま出荷できるというようなシステムに仕上げてきていました。スピードがかなり特徴になっていまして、毎分最高で30.5m出てしまうという、インラインの検品がかなり重要なポイントになるかと思います。
アメリカの会社ですが、欧州市場ではスパルタニクスと販売のパートナーシップを結ぶ方向で、このインクジェットプリンターにレーザーカット機を連結させることで、先ほどのHPやザイコンのデジタル印刷機と同等の生産システムをつくっていこうという展望があるようです。 |
<インピカ(フランス)>
これはインピカ、フランスの会社ですが、金と銀のインクを使用したインクジェットラベルサンプルを発表していました。視察ツアーの参加の中でも評判になっていたものですが、金や銀がそのままインクジェットで打てるということで、これはかなり使えるのではないか、使いたい、というようなお話が出ていました。もちろんこういった基盤、RFIDアンテナの印刷などにも応用できますので、こっそりと出品されていたようなのですが、皆さん見つけられて話題になっていました。 |
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実機としましては「Impika 600」というインクジェットのシステムが出ていました。こちらのほうは水性インクを使用したインクジェットシステムです。印刷幅は474 mmで長尺印刷できるため、通常の300 mm幅を超えたラベル幅で長尺もできるということで注目の商品だと思います。スピードも毎分75m出ていますし、ユニークなのがUVフレキソや乾燥、ラミネーター、ホット/コールド箔などのユニットのインライン化が可能というプレゼンでしたので、後加工の充実ということで、そこまで取り組んでいくぞという姿勢が見えていました。 |
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<ザール(英国)>
ザールという会社(イギリス)です。このインクジェットユニットというのが今回キーになるわけですが、各社のインクジェットシステムのヘッドとして採用されていました。同社がヘッドのリーディングカンパニーとなるのか、複数社にOEM供給もしくはライセンシー供給ということで、いろんな会社のヘッドとして搭載されていました。
展示ユニットとしては「Xaar1001」で、特徴としてインクがヘッド内を循環する仕組みで、目詰まりが少ないためメンテナンスが長時間必要ないということです。さらに特徴とし |
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ては粘度の高いインキのオペレーションに優れている。ウェブの印刷においても、高精細やテキストの小さいもの、階調性も滑らかに出るということで評価され、いろんなメーカーのインクジェットシステムに採用されているようです。 |
<複数製品に搭載された「ザール」のヘッド>
これが「ザール」のヘッドの採用例です。先ほどお話したニルペーターの「キャスロン」「Jetrion 4000」、PAT「Rotoworx」「サンケミカル」のインクジェットヘッドにも採用されていました。 |
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<IJプリントシステムによるラベル印刷の展望>
ラベルエキスポヨーロッパ、アメリカも含めて、インクジェットシステムがここまで多く出品されたことはこれまでになく、これは今後ラベル業界において「可変情報」をキーワードにインクジェットのシステムを活用して1つの市場を築いていくことの表れになるかと思います。
モノクロのインクジェットは、先ほども言いましたように、印刷機にヘッドを搭載してインライン化させることでバリアブルデータを印刷できる。
フルカラーのIJシステムは、印刷品質や生産性によります |
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けれども、装置価格帯のリサーチでは2,000 〜3,000 万円から1億円強までかなり幅広いものが出ています。これからの展望を取材すると、後加工も充実させていくというお話が各社から出ていましたので、オフライン、インラインと選択肢がありますが、フルカラーのインクジェットに関してはオフラインで単独に後加工までを行う。モノクロIJはインライン化して、どんどん効率よく小ロットの可変情報ラベルを製造していくというような方向性になるのではないかと思います。 |
<デジタル印刷機>
デジタル印刷機のほうは、今回新型は出ていませんでしたので、drupaに期待ということになるのですが、市場動向としては、欧州では導入企業がかなり増えています。そして1台導入した会社が2台、3台とビジネスモデルを先行して作り成功のあかつきに複数台を導入していく。ジョブ変更の時の効率化やスキルレスということを考えますと、UVフレキソやオフセットの分岐点を考え、小ロットのものは極力デジタルに移していくというような傾向があるように見受けられます。
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生産機としての開発は一段落つき、後加工のバリエーションや、デジタル印刷機でいろんな商品ラベルが作れる環境になっていますので、いかにビジネスモデルとして積み上げていくか。ラベル単価もアナログ機で作るのとはやはり違うでしょうし、小ロットで即納、短納期対応といったところで付加価値をつけられることもあります。あとはスキルレスからくる生産コストの低コスト化ということもありますので、これからはデジタル印刷市場は必ずマーケットが拡大していくというように感じました。
エキスポでは、入口すぐの場所にザイコンのブースとHPインディゴのブースがありまして、双方で後加工までをインライン化させたもの、オフラインで置いたものなどが出品され注目を集めていました。 |
<RFID加工機>
続きましてRFID加工機の出展トレンドについてお話ししたいと思います。
今回、ドイツのリーディングラベルコンバーターを回らせていただいたのですが、RFIDコンバーティングを行っている部分というのは、視察レベルだと見せてもらえないということで、取材で行けばもしかして見せてもらえるのかなというところなのですが、当社のツアーが50人を超えてしまっていますので、いつもですが、そういう極秘の部分までは入れないという状況ではありました。特に企業視察2社目の
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ルーマー社ではやはりRFIDのコンバーティングを行っていて、そのラベルは市場に流れているということをお話しされていましたので、欧州のラベル市場におきましては、ラベルコンバーターのほうにRFIDラベルの仕事が降りてきて既に発注されている状況をうかがうことができました。
日本市場は、まだラベル印刷会社がRFIDのコンバーティングを行うというレベルには達していないのですが、欧州ではそのような状況にあるようです。いずれにしても、大量生産・流通するには、粘着ラベル化が最も低コストでできるわけですから、来年以降は、確実にラベルコンバーターにこのような仕事が流れていくと予測しています。
コンバーティングマシンの傾向につきましても、ラベル業界では多層ラベルというラベル層が2枚、3枚になったものがあるのですが、そういった多層ラベルのコンバーティング機にホットメルトでRFID加工をしていくといったような印刷機が各社から出ていまして、今までラベル印刷機をつくっていたところがRFIDコンバーティングマシンまで幅を広げているという傾向が見てとれました。
主なリーディングメーカーですが、ほかにもいっぱいあったわけです。これが前回、前々回となると、ビエロマティック、メルツァー、スピルカーくらいだったのが、今回は、まだ知られてなくあまりメジャーではない会社も多く出ていましたので、RFIDコンバーティングマシンをつくる会社はどんどん増えているという状況になっています。
ビエロマティックはこの後にご紹介しますが、RFIDのラベルコンバーティングマシンと100 %の検証機などを出していましたし、メルツァーもバゲージタグ加工機をメーンに出していました。そのほかスピルカー、ショーバー、エダール、これはラベル印刷機のメーカーなのですが、「Lambda RFID」という印刷機を出しまして、カードタイプのRFIDを可変で出していくというようなものをプレゼンしていました。 |
<ビィエロマティック(ドイツ) 1>
今回 新しく紹介されたものに「RF-Roop Tag」がありました。まだ ラベル新聞でも発表していないニュースで、新年号に載せる内容ですが、NXPと共同開発したUHF帯のスマートラベルで、これの新しいところはICチップがロールタイプの粘着ラベル状に加工されている点です。これにより、ラベルコンバーター、またパッケージ関連企業は、ロールラベル化されたチップモジュールをアンテナにシンプルな方式でラミネーティングし、高速で安定したUHF帯RFIDラベルを低コストで製造できるようになるとい |
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う、非常に画期的な商品になっています。 またビィエロの加工機で製造が可能なアンテナは、銅やアルミエッチングではなく、アルミ箔を使用してロータリーダイやマグネットシリンダーなどでアルミを打ち抜き加工することが可能になっています。 |
<ピエロマティック(ドイツ) 2>
こちらは検証装置として出品されていたものですが、今まではRFIDラベルに検証して、不良品があったところにはインクジェットなどでマーカーをつけていたというレベルだったのですが、「Quatlifier T100/165」は、工程中、不良品ラベルをバキュームで吸い取り、ライン上でラベルが欠品している部分に検査済みで良品のロールラベルからラベリングし、最終的に100%良品のみのRFIDラベルを製造するシステムとして、かなりの注目を集めていました。 |
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<代表的なRFID加工機……メルツァー>
同じくドイツに本社を置くメルツァー社というメーカーがあります。こちらのバゲージタグモジュールのRFID加工機なのですが、中国やロシアのほうへの導入が進んでおりまして、ロシアなどでは地下鉄やバスのRFIDカードに使われているほか、北京のオリンピックのチケットに使われるというニーズのもと既に複数台が納品されたなど、いろんな情報が飛び交っていました。
同機では、インラインでインレットを全品チェックするとともに、不良を強制的に排除し、100%良品のインレットを基 |
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材へ継続的に貼り込む「インレットセレクションシステム」を搭載し、1台でインレットの検証から最終加工までを実現する装置となっています。
欧州、中国、ロシア等のRFIDの現状として、地下鉄やバスなど公共機関へ紙ベースのRFIDタグの導入がかなり進んでいるようで、日本のスマートカードとは市場性が異なっているようです。それらのニーズで大ロット発注があるために、このような生産機が今回各メーカーからたくさん出てきたのではないかということが予測されました。
かなりRFID関連メーカーのブースは情報規制が厳しく、プレス関係者でもなかなか写真を撮るのが厳しい状況で、印刷機を撮ろうとすると“ノー”ということで、こういう全景しかなかなか撮れないのですけれども、RFIDコンバーティングマシンの充実がラベルエキスポでは見られました。 |