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  「平成25年夏季講演会」講演録 (平成25年8月22日開催)
現場で見た「今」の中国
(6)
       講師 チャン&カンパニー代表  安藤チャンめぐみ 様

これから、今年に報道された中国ニュースを3つピックアップして紹介したいと思います。 こういう日々報道されたニュースから今の中国の現状がよく伝わってきます。
今、中国各地で日本のアニメ・漫画のブームが起こっています。 
例えば、ここでピックアップした日本のアニメは中国の若者に聞けば、誰でも知っていると思います。 中国では、日本のアニメは圧倒的に人気があります。中国で「80 後」と呼ばれる 1980 年代以降に生まれた世代は、子供の頃から毎日、これらのアニメを見ながら育ってきており、 日本のアニメは彼らの精神形成にも大きな影響を及ぼすに至っています。データーによると、今、中国で日本のアニメを見ている
人口は15%位までに達しています。すなわち、約2億人位の若者が日本のアニメを楽しんでいます。私の親戚の中でも、日本のアニメを良く理解するためにわざわざ日本語を勉強している大学生の女の子がいます。実際、日本のアニメを見るために日本語を勉強するようになった若者は多くいます。世界に通用する日本のアニメは日中友好の懸け橋になっています。文化には国境がなく、素晴らしいものだなとつくづく感じます。そして 皮肉なことに日本のアニメがあまりにも人気があるので海賊版もよく売れています。
中国の習近平国家主席が昨年の末に「ぜいたく禁止令」を打ち出しました。公費の無駄使いや官官接待、贈答行為などを厳しく禁じ、腐敗を是正する目的です。この「ぜいたく禁止令」の影響で、今年に入ってから、沢山の高級レストランが閉店に追い込まれました。テレビ朝日が取材した北京にある高級店の一つでは、今までは、夜になると、高級官僚が集まって賑わっていた光景を今はもう見掛けません。お店は閑散としていました。店の担当者に聞くと、政府の「ぜいたく禁止令」の影響で、一部の店舗
はすでに閉店してしまいました。まだ営業している店では、フカヒレなど贅沢なメニューはもう外しています。それでもお客様は来ないようです。
中国では人間関係を作る時や、ビジネスをする時には、高級レストランで食事をしながら話をするのが普通です。ですから腐敗も賄賂もその場で起こってしまうのです。中国政府はこの「ぜいたく禁止令」は高官に対するものだけではなく、国営企業もそれを実施しなければならないのです。その為、昨年末にはほとんどの国営企業や政府機関が忘年会を見送りました。今年の旧正月も普段であれば接待が多い時期ですが、レストラン業界や、高級贈答品、茅台酒(マオタイ酒)や、ブランド時計などの売上はかなり落ち込んでいました。
実は、中国のメディアの報道により、古いデーターしかなかったのですが、2006年の接待や公用車に使われた金額は国家予算の7%にあたるおよそ9.8兆円に達しています。 新しいデーターはもう公表されていないです。ネットユーザーからは中国官僚の莫大な接待消費が中国の経済をけん引しているのではないか、という皮肉の 声もあります。
今年7月1日中国ではひとつ、騒ぎがありました。国から親孝行を義務化する、親孝行法が施行されたのです。その日に、各新聞で大きく取り上げられました。その内容は、親を無視したり、冷たくしてはいけない。親元を離れている人は頻繁に帰ることと定めています。儒教の国、中国ですから、親を敬うのは当たり前のことですが、なぜ親孝行法が施行されるのかと私はこのニュースを見た時に衝撃を受けました。中国は変わったなと悲しく思いました。
テレビ朝日が北京市民にインタビューをした結果
は、80%の若者がこの親孝行法に反対していました。
多くの声は、親孝行をしたいけれども、お金も時間もないから、年に何回も帰省することは無理ということです。また、親孝行は強いられることではない。親に何かあればすぐに飛んでいくよ、と言っていました。
でも、この法令が施行された理由と背景は何かと調べましたら、今の若の者はほとんど1人っ子なので、急成長している社会環境の中で、自分で生きるだけでもう精一杯なので、故郷へ帰って両親を見る余裕がなくなっているのです。また、急速な高齢化に対して社会制度がもう対応しきれないため、政府は子供に親の面倒をしっかり見るように呼びかけています。その法令が施行された同日に、無錫でこの「親孝行法」が適用された判決がありました。1人暮らしの77歳の女性が娘夫婦に対して、自分の面倒を見ることや家賃負担を求めたのです。裁判では、女性の訴えが認められ、裁判長から「すくなくとも2カ月に1度は親を訪ねること」と娘夫婦に命じました。
ちなみに、中国は昨年から生産年齢人口が減少に転じました。2020年までには60歳以上の人口は総人口の17%で、2億5000万人になる見通しです。中国は人口が多いと実施した1人っ子政策のため、高齢化のスピードはどこの国よりも速いです。高齢者に関わる問題はこれからも出てくると思います。
最後に、私は皆様に日本人が撮影した中国の棚田の写真をお見せしたいと思います。 この写真は中国貴州省の棚田です。撮影者の安井さんは、私が以前働いていたバイエル株式会社の部長をされていました。安井さんは退職されてから、今までの経験を生かして、毎年、中国に行き水稲生産について色々な技術的サポートをしています。安井さんは中国が大好きな日本人の1人です。 これから、安井さんが撮ってきた写真を数枚、皆様にご紹介させていただきます。
最後に、終わりの言葉として是非申し上げたいことがあります。 私が来日してからもう20年経ちました。私の心の中では、日本も私の祖国のような存在で、日本を愛しています。それは、私が長年、日本で暮らしていて、日本の社会、そして 多くの日本の人々を知るようになったからです。日本に旅行に来た中国人は、帰国後はみんなが日本のファンになっています。自分の目で日本の社会を見て、体験し、日本の方々と触れ合って、それで本当の日本を知ることができたからです。
日本に来たことのある私の友人は、全員、日本が大好きだ、と言ってました。
今、日中関係はあまり良くない状況です。中国からの報道を見ると、尖閣諸島の問題などのニュースが目に付きますが、中国だけではなく、できれば、もっと多くの日本の方々が中国へ行って、中国の人々と肌で付き合っていただきたいと思います。そうすれば、きっと中国人は付き合いやすく感じ、親近感を感じるようになると思います。両国民の交流が本当の友好の輪を広げてくれる架け橋だと思います。
私はこれからも、日本で中国のことを伝えていきたいと思うと同時に、中国に行って、いつかは日本のことを中国人に伝えたいと思っています。自分が感じた日本、体験した日本を中国人に伝え、分かち合うことを願っています。
今回、大変申し訳ありませんが、印刷業界のことについては全く知らないので、全然触れることができませんでしたが、少しでも中国のことを知っていただければ嬉しいです。 本日は、お暑い中、わざわざ、お越しいただきまして、本当にどうも有り難うございます。ご清聴どうも有り難うございました。
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