今お配りした冊子の26ページに、北海道の高橋知事と、映画出演兼プロデューサーをされた宇崎さんの対談が載っています。この映画についてどんなふうに自治体が思っていて、どんなことが起きているのかということがご覧いただければと思います。
この映画自体は北海道の道東でロケされました。湖は阿寒湖です。灯台が出ていたのは能取岬です。冬になると流氷が接岸するところです。
そんなようなところで撮影をして、今ご覧になっていただいたとおり、本当にきれいな映画でして、ラブコメディです。インターネットで独身の男性がお見合い相手を探すのです。返事があった人と会っているシーンです。いろいろな人が出てきます。
舒淇(スー・チー)というのがスチュワーデス役で、そのスチュワーデスがある男性と不倫をしております。そこと別れる別れないというときに、インターネットでグォ・ヨウが現れて、何回か会っているうちに惹かれて、思い出の地に行って断ち切りたいというのが先ほどのシーンです。それで北海道に行く。
ということで、これを見た富裕層といわれている人たちが大挙して北海道に観光で押しかけているというところで、中国人の意識調査によると「日本のどこにいきたいですか」という調査で、半分以上の人が「北海道に行きたい」という。「なぜなら、癒されたい」という。
せわしないと思っていたら中国人も癒されたいんだなと思いました。先ほどの冒頭の話ですが、先ほどの大空町の道がありましたね。スバルレガシーで走っていましたが、あそこに行くと、ボーッとしているだけの中国人がいるというような状況に今なっているというところであります。
この中には教会も出てきます。これは斜里町というところの河川敷にある小さな教会です。このパンフレットにはないのですが、その教会には私どもが去年6月に取材にいった時点ですでに1,200人くらいの中国人が、だれもプロモーションしていないのですから地図も何もないのですが、お越しになっていて、何組か、そこで結婚させてくれというくらいの話に今なっています。
ですから、例えば結婚、リゾートウエディング。海外でのウエディング。私自身も実はハワイの大学を出たので結婚をハワイでしたのですが、そんなようなマーケットも十分つくれるのではないかと思っています。これが一つ、我々が手がけている事業になります。
もう一つが、今週の月曜か火曜の「日経MJ」にも出ましたが、先ほど言語の問題で受け入れられない人が多いと言いました。私どもは会員制を「HI日本」でとっていまして、旅館やホテルに会員になっていただきますと、通訳サービスを提供しています。これは2月1日から始まるのですが、どういうことかというと、これはスピーカーホーンです。海外でいろいろやられる方は、電話会議します。これは、スピーカーになっていて、マイクになっています。これをケータイにつける。
2月1日ですが、ちょっとやってみます。
電話を国内にかけます。この話自体をご覧いただきたいのは、どんなことをやっているかというと、この21ページをご覧ください。左下にあるサービスのデモをちょっとしてみます。
電話をかけます。日本の国内にアクセスポイントがあります。
(電話)「こちらは、国内通訳センターでございます。中国語の通訳は1番を、英語の通訳は2番を、韓国語の通訳は3番を押してください」 ということで、中国語と英語と韓国語の通訳を北京でしてくれます。
1番を押します。そうするとコールセンターに流れます。
(電話)「電話ありがとうございます。グロバールトーク通訳サービスです」
(眞柄)「今、ホテルに中国人のお客さまが来られていて、お部屋の案内をしたいので通訳をお願いします」
(電話)「はい」
(眞柄)「では、今から言いますので訳してください。『お客さまのお部屋は2階の15号室で』と訳してください」
(電話)「2階の15号室ですか」
(眞柄)「はい」
(電話)「(オペレーターが中国語で訳す)」
(眞柄)「ありがとうございました。わかっていただけたようです。どうもありがとうございました」
(電話)「失礼いたします」。
というようなことで、地方ですと、なかなか中国の方を雇って固定費として乗せても、いつ来るかわからない。そこをケータイはほとんどの方が持たれているので、365日、24時間サービスを月額1万円で最低限のコミュニケーションができるようにということで、今、このサービスを2月1日から始める、というのがこの記事です。こんなようなこともやっています。
あとは、実際に富裕層の多くは会員制のクラブに入っています。そのひとつで「CEO CLUB」というところと私どもと提携しています。会員が約4万人います。そこに対して、例えば商品のテスティングをしたり評価してもらったり、チャネルとして位置づけています。
イベントなどもしていますが、今回は、24ページをご覧いただけますか。こちらの左上におられる方は、「CEO CLUB」の会員の富裕層です。旦那さんは公務員とおっしゃっていたので、たぶん党の方です。奥様は、ファイナンスマネジメントの会社を経営されているとおっしゃっていました。
昨年の6月、イムノエイトという私どものHI日本の会員の方がこのCEO CLUBでイベントをしました。そのときに無料で日本に来ていただく招待旅行、なおかつ松倉クリニックでシワを消したりシミを抜いたりする美容サービスをタダで受けますという抽選会をして、当たられたのがこの方です。
12月25日に来日されたときに、今のこれで会話をしたのですが、それで表参道にある「松倉クリニック」に行っているときのシーンがこれです。
ここにも書いてあるとおり、そのときに購入された美容クリームがあるのです。3カ月間塗ったらシミが消えますよというクリームですが、これが1セットで3万4,000円くらいするのを2セット買って帰りました。どうやってお金を払うのかなと思ったら、聞くところによりますと、「銀聯カード」というのがあります。「銀聯カード」というのはよく使う。クレジットカードはあまり所有されていないと聞いていたので、どうしようかなと思っていたら、奥さんがパカッとピンク色のお財布を開けたら、クレジットカードがずらっと並んでいまして、AMEXのブラックカードで買っていました。ですから、実際にこういう人たちの感覚、嗜好されているものも非常に重要です。我々はこういったところに代理店として契約しています。
もう一つ、先ほどリゾートウエディングの話をしました。北海道でマスダプラニングさんという会社が我々の「HI日本」の会員になられていまして、その方たちからの依頼で、果たして中国の20代、30代の方が日本で結婚するのをどう考えているのか調べてほしいというので、調べました。非常におもしろい結果になりました。
これが10個あるうちの質問のうち4つほどおもしろかったので、持ってまいりました。
こちらは、「どこの国に行きたいか」というところで、実はハワイが一番です。先ほどのように、何もプロモーションしていない日本は、実は今ヨーロッパと並んで2位にいます。時間距離で考えていただければ、日本まで3〜4時間。ヨーロッパまでたぶん10時間くらいかかります。絶対日本のほうが地理的に有利です。彼らの求めるサービスと商品があります。ですから、何もやっていないのに2割ありますよということは、絶対可能性があるだろうということで、今、いろいろなホテルさんとこのデータを使ってお話をしています。
先ほどのとおり「日本だったらどこがいいですか」というと「北海道」です。2番目は、富士山のまわり。 こちらは「どのような手段を使って検討するか」。インターネットで検討するというのが一番となっています。私が先ほど仮説として申し上げましたが、13億人の方から日本に興味のある方をスクリーニングして、適切なプロモーションするための媒体としてやはりインターネットがあるのかな、と。
もう一つ「日本で結婚式をするとしたら、こだわりたい内容を二つ選んでください」という質問に「中国語ができるところでやりたい」。
例えば先ほどのようなところで雇いつつ、必要最低限のコミュニケーションをこういうもので補完するというようなことは今、会社の方とお話をさせていただいて、より良いパッケージツアーをつくれたらいいかなということで今やっているところです。
あとは「ドレスにちょっとお金をかけたい」とか、このほかにも非常に興味深いデータがあります。「結婚式をあげるとしたら、何人くらいで来たいですか」という質問に「15人くらい」。「滞在期間はどのくらいいたいですか」「12日間以上」というデータがあります。
「旅費以外に結婚式にいくらぐらいかけたいですか」という質問に「240万円」が平均です。これは100人に聞いています。
そういった彼らの嗜好についてきちんと客観的なデータを集めつつ、私どものつくった仮説に基づいて、我々の会員の方で一緒にビジネスをつくっていこうというのが、今やっていることです。
最後、まとめの前に、ご案内ですが、実はこの映画の放映は、まず北海道から封切られます。先週、東北が決まりました。関東はまだ決まっていません。これは放映で儲けるようなビジネスモデルになっておりません。今お話はしておりますが、近々ご案内できるかと思います。その前に前後して3月に墨田区のフィルムコミッションで映画についてもうちょっと探ろうではないかという勉強会がありますのでご案内します。もし興味があれば、チラシも何部かありますので、あとでお持ちになってください。
まとめになります。パラダイムシフトというところは、世界の工場から市場になるんだ、と。しかも、先ほど2008年と2010年の間の時間軸の中で、全部が集っているというお話をしましたが、そのくらいのスピードと規模で起きていることに対して、実は彼らが求めているものは、安心安全のメイド・イン・ジャパンであるという事実を認識して欲しいと思います。
これは、ある意味でいうと、これまで誰も想定していなかったと思います。 それは先ほどの一つ調査したリゾートウエディングという嗜好に対しても、顕著にあらわれていると思います。我々が海外で結婚式を始めたのは70年代、80年代です。そこが今中国に来ている状態。プロモーションさえすれば実現できるぞ、というところです。
それと、先ほど申し上げたとおり、中国自身が業態変換の真っ只中にあるという事実も認識して欲しいと思います。
ブレイクスルーは何かというと、中産階級の人たちは5億人いるといわれていますが、その20代から40代、このなかの多くの人たちは英語を話しません。マイクロソフト中国でも英語をしゃべるのはマネージメント層に限られています。マネージメント層以外は英語はビジネスに必要ないのです。したがって、基本的には英語をしゃべらない人たちが、お金を持って今後活動します。コミュニケーションどうするのか。これまでは日本が投資して、工場をつくって、日本語で会話していたのが、恐らく逆になるだろうということの事実も含めて、どうやって突破するのかというところに、今後のいろいろなビジネスのヒントがあるのかなと思います。
きょうは、私の一方的な仮説に基づいてお話をしてしまいましたので、はてな?と思われる向きもあるかも |