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ということは、社長なり経営幹部が気にするのは売上と利益だと思うのです。それと同じように、このCO2 排出量は去年うちはどれだけだったのか、来年どこまで削減するのか、10年後にはどうするんだということを社長なり経営トップが気にしなければいけないようになってきたのではないかと思います。まさにエネルギーデータの経営指標化ということが進んでくるということになると思います。 そうなりますと、ROE、ROAというのが経営の財務指標ですが、ROCというような指標が今後出てくるだろうと思います。これは、Return on Carbonです。要するに、1トン当たりCO2 を排出してどれだけ利益を出したのかということで、特に同業者において比較されるわけです。A社とB社において、じゃ、このROCはどちらが高いのか低いのかということで、当然低いほうが環境にやさしいわけです。同じ利益上げるとすれば、それだけ少ないCO2 でこういうような指標が出てきて、いろいろな意味で公表されて評価されるという時代が来るわけです。 ですから、まさに環境経営そのものが非常に定量的にこれから評価されていくだろう。いままでは、どこかで木を植えていますとか、こういうバイオ燃料のインクを使っていますとか、そんなようなことで、何となく漠然とした、曖昧な形の「環境にやさしい企業です」ということでよかったのですが、今後はこういう意味で定量的に、「ROC、どれだけ?」みたいな形で比較されるような時代がまさに来ているということであります。 そういう意味で、積極的にやられたほうが、企業イメージもよくなる。かつ企業そのものが強くなるということで、先ほどちょっと言いましたように、ぜひ受け身的対応ではなく能動的に、積極的に「こういう方針でうちはいこう」ということをやっていっていただく必要があるのではないかなと思います。