日本フォーム工連・技術委員会セミナー記録

 技術セミナー
デジタル印刷が拓く新たなビジネス
 「One to Oneを実現するツールの紹介/事例紹介」

講師 浮 田 英 治 氏
その3
富士フィルムシンプルプロダクツ株式会社
営業部マネージャー
 
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<意外に困難な名刺組版>
 こういう端物的なものでも組版は難しい。
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<事例紹介:ハート株式会社>
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 名刺とか封筒の紙を売っておられるハート株式会社さんです。2パターンお持ちでして、下のほうは、自社のお客様に対して直接、支店長が交代した挨拶はがきなどを提供しておられます。
  上のほうでは、ハートさんのサーバーにおいて印刷会社さんが楽天みたいな形で出店をしまして、そこで印刷会社のお客様が頼んだデータが印刷会社に飛びまして、それを印刷して納品する。本当にサーバーだけを回してレンタルするような仕組みです。こういうものを展開されています。
  これも結構古い事例ですが、2000年、まだまだブロードバンドのなかったISDNの時代から取り組まれていました。これによってハートさんは、名刺やはがきがどんどんできれば自社の紙が売れるという業態をとっておられます。

<事例紹介:A社(電機メーカーの子会社)>
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 これは先ほど申し上げた一般企業さんで、プリンタとサーバーサイドの仕組みを使って自社でやってしまっているという例です。大企業さんなので、最大1日700 箱くらいの名刺の作成をやっておられます。

<事例紹介:C印刷(食料品メーカーの子会社)>
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 これも古い事例で2001年ですが、スーパーの店頭に置いてあるレシピです。料理の作り方が書いてあって、「そこでこの調味料を使ってください」みたいな宣伝用のPOPです。
  従来ですと、サーバーに向かって食品会社から発注があって、それを印刷してお店や食品会社に納品ということをやっていましたが、もっとよりタイムリーなもの、もっとOne to One的なものを目指して、各店舗へのダイレクトの発送とか、作ったデータを食料品メーカーの営業マンがダウンロードして、自宅のプリンタで少部数だけを刷って、お客様のところには次の日に持参する。たとえば、急遽、店長の顔写真を入れた「おすすめコメント」の入ったPOPをお客様ごとに作ったという事例です。

<事例紹介:D社(地方の総合印刷会社)>
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 これは先ほどの遠隔プリントの事例です。

<事例紹介:流通系ショーカード>
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 これなどは、コンビニの店頭にぶら下がっているショーカードというプラスチックのものです。ああいうものをWebで確認してアウトプットしている例です。

<事例紹介:個別チラシ・旅行工程表>
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 先ほども旅行のチラシの例がありましたが、これもそうです。その方に応じて、またはこれまでの申し込みの履歴に応じたチラシがあって、そしてそれを申し込まれた方には「旅のしおり」と呼ばれる日程表を送る。この日程表も実は厄介です。人によってはオプションツアーを頼まれたり、頼まれなかったりということで、いろいろ中身が可変するわけです。ですから、文字の差し替えだけでは絶対に解決できないレイアウトが非常にたくさんあります。文字が多くなったら多くなったに応じて「○月○日○曜日」という文字を中心に組んだり、かなり高度な組版機能が求められます。
  これで旅行を申し込まれたお客様は、旅行先では添乗員がとるパーソナルアルバムみたいなものに展開するといったような、旅行開始前から旅行
中のサービスまで各種展開しているという一つの例です。

<事例紹介:保険約款をOne to One化すると>

 これは、One to Oneというところにおいての顕著な事例の一つがこの保険の約款ではないかと思っています。
  問題として、最後まで約款を読まれる方は少ないと思いますが、「非常に分厚く、文字が小さく、読みにくい」。それから大量印刷して在庫される、必要なくなればどんどん廃棄されるということで「無駄が多い」ということです。  こういった性質があり、新商品の開発と多様化とスピードアップにとって、印刷物がどうしても足かせになってしまうというケースが考えられると思います。ページ数も多いし、中身もぎっしり詰まっていますので、校正だけでも相当な時間がかかると思います。せっかく保険商品ができているのに、約款とか周辺のものができていないからセールスできない、ということが起こったりするのではないかと思います。
  ところが、One to One化されれば、最小限のページ数でその人が契約した条文だけが載っている約款になります。
  交通事故などを起こすと、そんな条文をきっちり読んでいるような心の余裕がないと思いますが、One to One化されたものであれば、そこに載っているのはすべて自分が受けられるサービスということで、お客様に何よりもわかりやすいということになります。
  その他、在庫や廃棄がなくなるということもありますし、保険会社にとってのメリット、新商品の開発と多様化に容易に対応できると考えております。

<事例紹介:黒枠広告>
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 その他、サーバーサイドの例としては変わった事例ですが、新聞の死亡広告、日時、場所、人名とか、入念な校正が求められたり、外字が必要だったり、即時性はいるけれども再利用性は当然ないとか、いろいろな特徴があるかと思います。こういうものをWeb上で画面校正するという仕組みも実際に動いています。

<事例紹介:求人広告・不動産情報誌>
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 これはオンデマンドのプリントではありませんが、一つひとつの求人や不動産広告の中身、あるいはややこしい組版をWeb上で自動で行って、画面上で校正するという仕組みなども多く展開しております。

<デモサイトのご案内>
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 One to Oneというよりサーバーサイドの話が多くなってしまいましたが、こういったデモサイトもあります。また、先ほどのハート様のサイトに「イージープリント」という名前で実際にどんなものかご確認いただけるようなサイトもありますので、こういうものもご参考にしていただければと思います。
 私ども、従来は、ずっと組版システムを作ってまいりまして、今日はOne to One、オンデマンド、バリアブル、Web to Print といったことについてご説明させていただきました。また ご質問等ございましたらぜひお気軽にお声をおかけいただければと思います。最後までありがとうございました。
 
 



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