日本フォーム工連・技術委員会セミナー記録

 技術セミナー
デジタル印刷が拓く新たなビジネス
 「クライアントの視点に立った
             ワンストップデジタルサービスの時代」

 
講師 杉 田 晴 紀 氏
その2
富士ゼロックス株式会社
プロダクションサービス事業本部
 
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<エモーショナルマーケティング市場>

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 もう一つ、おもしろい商材があるのでご紹介させてください。 「イメージバリアブル」とか「エモーショナルマーケティング」と呼んでいますが、これまでのバリアブルというのは、「杉田様」になったり、コンテンツが差し替わったりするだけですが、いま画像のなかにいろいろな個人の名前をデザインして折り込むような技術ができております。
 
<デザイナーアイディア>
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 これはうちの部下の犬です。「Harunori Sugita 」とあります。ここはお客様の名前に替わります。 猫のカレンダーも全部バリアブルになっています。仕掛けは簡単で、フォトショップを使ってデザイナーが実行したアクションをプログラムにはき出しているわけです。デザイナーがやったワザがプログラムになっていると思ってください。
  一方で、CSVファイルでお客様名を1,000 人用意し、ソフトウエア上で1,000 個のPDFファイルをつくるだけです。そこから後の面付けとか印刷は印刷工程に流れます。そういった形で新たな商材が作れるようになっています。
  ドイツのゼロックスのパートナーのお客様のところでそういうコンテンツの
サービスを始めていますし、日本でもこの夏からゼロックスとしてご案内していこうと思っています。 欧米では、DMに使われるケースが多いですが、たぶん日本では、固有のオタク・カワイイ文化ですとかB to C市場等、もっと個人のものに使っていく可能性が高いかとは思っております。

<Webサイトと連携したデジタルプリンティング(ロングテール型ビジネス)>
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  最後に、Web to Print (ロングテール)、いわゆるWebと印刷がどう結びつくかを話します。これはWeb to Print と呼べるかどうかわかりませんが、いわゆるマーケットプレイスの事例です。ECサイドと連携した事例です。
  お客様は、フーズインフォマートという食材のマーケットプレイスです。売手は生産者。野菜から畜産からあらゆるものです。買手は、卸売もありますし小売、飲食店、レストラン。 MP会員は1万2,000 社くらいで、会員が望むことをどんどんサービスとして追加していって、そこで高成長していく。フーズインフォーマート社はその一社ですが、VOCで一番大きかったのは、「販促物、プロモーションを支援してほしい」、もっと具体的にいいますと、「自分たちのつくった商品を広く知らしめたい」「DMを打ちたい」「チラシを打ちたい」
「幟をつくりたい」「カタログをつくりたい」「メニューをつくりたい」「撮影してほしい」等等。この1万2,000 社はどこかというと、SOHO、個人経営です。普通は自分のところで手書きでやったり、インクジェットで販促物を作っている。まさにロングテール型市場です。 協業して頂いた光明社さんは、東京のユーザーさんで、このマーケットプレイスとリンクをはって、販促市場24というサイトを作りました。
 
<販促市場24トップページ>
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 24時間やっていますよという「販促市場24」のメニューは、光明社さんのノウハウで印刷工房、撮影、デザイン等いろいろな印刷附帯業務を全部ワンセットでやりますというようなサービスを始めたのです。光明社さんも我々も、どこまでできるかわからないけれどもやってみようというスタンスでした。
  スタートしてから18ヵ月、1年半たちました。予想外だったのは、小ロットで、1万2,000 社のSOHOですから当然デジタルに伸びてほしい。だけど、伸びているのはオフセットなのです。また 企画、デザインも取って、いろいろな販促グッズもやっています。光明社さんがこのマーケットプレイスでロングテールとつきあって得た売上利益の半分以上は、実は通常の印刷ビジネスです。光明社さんは、この販促市場を通じて得た新たなお客様の数は100
社です。年間の売上は4,000万円増になりました。 ですから、ロングテールの力はばかにならない。そういう事例ができているのでご紹介させていただきました。
 
<One-stop デジタル支援>
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 たぶんデジタルのアプローチというのは、決めうちはできないです。やり方として、うちはWeb to Print でいくんだ、Web to Print を取りまくれ、ということは、たぶんクライアントには響かないでしょう。マーケティングの課題はどこにあるかわかりませんから。そこをきっちり解きほぐしていって、「では、あなたのところ、これに課題がありそうだから、ここからやってみて、次にここにいきましょうか」と誘導してくれるところでないと、きちっと付き合ってもらえないと思っております。

<総合カラーマネジメント診断サービス>
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 最後に、情報としてですが、カラーマネジメントの診断サービスを始めました。デジタルではなくて、今、ワークフロー、CTPの話が出ましたが、上流から下流まで全部技術的にはつながると思います。本当に求められるのは、オフセットとデジタル、プルーフとデジタル、カラーの整合です。今、お客様のなかでデジタルを持っておられるとしましたら、うちは診断サービスでお客様の傾向からどういうカラーマネジメントの環境は課題があるか、実際のカラーチャートの診断、バラツキなど全部サーベイして解析レポートするようなサービスもやっております。デジタルの品質はもっともっと上げていかなければいけないので、そのへんをやっていこうと思っています。

<デジタルプリンティング ビジネスパートナーを目指して>
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 デジタル印刷は、クライアントのマーケティング課題に対して、ワンストップ型の課題解決ツールとして進化しつつあります。 これまでの多品種・小ロットを超えて、多品種・大ロットPODの時代が現実化してゆきます。POD「第3世代」という言い方をしていいかどうかわかりませんが、今年くらいには国内市場向けに発信していこうと思っております。
  ありがとうございました。
 
 



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