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株式会社明新社
所在地:奈良県奈良市南京終町3丁目464番地
代表者:代表取締役社長 乾 昌弘
従業員数:37名(2023 年 4 月現在)
URL: https://www.meishin.co.jp/
氷の神様を祀った「氷室神社」があることから、“かき氷の聖地”としても有名で、名だたるかき氷店がしのぎを削る奈良。そんな奈良市餅飯殿(もちいどの)町の土産物店「絵図屋」が、奈良の旧市街地ならまちにあるラーメン店とコラボし、若者視点で新作かき氷を商品開発した。この土産物店「絵図屋」を運営しているのが、古都奈良で今から150年前1874年に創業された印刷会社、株式会社明新社だ。明新社は、もちいどのセンター街に年賀状や名刺を印刷する旧社屋を持っていたが、商店街の中にありながら社休日の土日はシャッターを閉めていて、商店街の活性化には逆行していた。更にシャッターに落書きをされてしまい、益々印象が悪くなると悩んでいた時に、営業社員が「遷都1300年祭」のマスコット・キャラクター「せんとくん」とその対抗キャラクター「まんとくん」を対にしてシャッターに描いたら商店街の活性化に繋がるのではないか? というアイデアを提案してきた。そこで、社屋の一部を店舗として改装し、奈良にまつわるキャラクターを販売するショップ「ならクターショップ絵図屋」をオープンさせた。地域の産品も「NARAMONO」として取り扱う土産物店として存在感を高め、もちいどのセンター街の活性化に大きく貢献している。
「絵図屋」の成功体験は、明新社の社員の意識改革につながったと乾社長は述べている。「自分で考えた提案や企画開発したものがお客さまに受け入れられる面白さを社員が実感し、提案型の大切さが意識として浸透してきた」と。ご当地ヒーロー「YAMATO 超人ナライガー」もそんな社員の自由な発想から誕生したキャラクターだ。奈良県の地域活性化や観光振興イベント、企業や団体のキャンペーンイベントで、ステージでのショーや撮影会・握手会などに出演。各地でにぎわいを作り出している。
奈良の観光業は春秋には賑わうが夏枯れに苦しむ。これを解決すべく1999年8月に初めて開催されたイベント「なら燈花会」は、2023年には9日間で約60万人もの来場者を数えるに至っている。実は乾社長が初代専務理事としてその根幹を築くことに尽力している。2016年から奈良市観光協会の会長に就任している乾社長は、地域で作られる旅行商品の企画、お寺や仏像といった「モノ」を観る観光から「コト」を体験する観光へのシフト、滞在時間を延ばし宿泊需要を取り込む商品の企画が大切だと述べている。「お客さまの課題解決パートナー」から更に大きく広く、奈良の観光、地域活性化をサポートする「地域・エリアの課題解決パートナー」へと進展していく明新社に今後も注目していきたい。
連載 「じゃぱにうむレビュー」 第17回
全国の印刷会社が取り組む地方創生、地域活性化に関わる事業の事例をトピックスとしてご紹介します。 第17回目は、北海道帯広市に本社を置く東洋株式会社の取り組みを紹介します。