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オフセット印刷用「VOC警報器」の Q & A【20190401追加更新】
オフセット印刷用「VOC警報器」の Q & A
<1:VOC警報器の原理・仕組み>
1-1Q:警報が鳴ったら、作業場が悪い環境ということなのですか?
A:警報が発せられた場合は、基本的に作業環境が正常ではないということを表しています。ローラー上部の「VOC警報器」は、洗浄時に発生する有機溶剤によって警報が発せられる場合が多く、そのときの警報は、「その場で作業を続ける場合は、防毒マスクを付けてください。」との注意を意味しています。またデリバリー、機械と機械の間では、本来「VOC警報器」は鳴りません。もしここで鳴る場合は、有機溶剤の濃度が一定以上になっていると思われますので、その原因を把握し取り除くことが必要となります。
1-2
Q:警報がない場合は、安全と思って作業ができますか?
A:基本的には、有機溶剤の濃度は安全と考えて作業いただいて結構です。
但し、洗浄作業方法によっては作業者がばく露する場合がありますので洗浄剤等のSDSで物質名を確認し、リスクを把握することが重要です。
1-3
Q:有機溶剤の濃度が減少したら、自動的に警報は止まりますか?
A:はい、有機溶剤の気中濃度が一定濃度以下になると、自動的に警報は止まります。
1-4
Q:なぜ、ノナン200ppmで警報が鳴るのでしょうか?
A:ノナンの許容濃度は200ppmに決められており、この濃度を越えると警報が鳴ります。「VOC警報器」は様々なVOCをトータルに検知します。
1-5
Q:ノナンにしか感度がないものと思っていました。このためシール印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷では使用できないのではないかと思っていましたが、使えますか?
A:今回開発した「VOC警報器」はオフセット印刷用であり、基本的に同じような洗浄剤をつかう活版印刷等を除く、他の版式では使えません。シール印刷では、オフセットや活版印刷方式を使う場合には使用可能です。スクリーン印刷、グラビア印刷では、使用するインキ・洗浄剤等の性質から使用できません。
1-6
Q:UV印刷用洗浄剤、トリメチルベンゼン、ブタノールには使用できますか?
A:基本的に「VOC警報器」は、VOCをトータルに検知するので使用可能です。ただしブタノールについては、やや検知感度が低くなるので、注意が必要です。
1-7
Q:「VOC警報器」を設置したら、リスクアセスメント上で何かメリットがありますか?
A:「リスクアセスメントシート日本印刷産業連合会2018版」のリスク低減措置の一つとして、「VOC警報器」を対象にしています。
1-8-1
Q:作業環境測定を定期的にしていれば、「VOC警報器」は不要ではないでしょうか?
A:作業環境測定を定期的に実施していても、「VOC警報器」は必要です。
作業環境測定は特定の物質のみを測定します。印刷工場では混合溶剤を使用しており、これに含まれる全ての物質を測定することはできません。また、作業環境測定は、年に2回しか行いません。一方「VOC警報器」は、個々の物質濃度を測定することはできませんが、24時間、常にVOCをトータルで監視しています。
1-8-2【20190201追加更新】
Q:有機則や特化則に該当する洗浄剤等は使用していなので、有害性は無いと思いますがそれでも「VOC警報器」は必要でしょうか?
A:化学物質に有害性の無いものはありません。
現在、問題が無いとされているもの、また不明とされているものも、今後危険有害物質として従業員の健康障害を引き起こす可能性があります。従業員を健康障害から守る為にも「VOC警報器」は必要です。
特に不明とされているものは調査がされていない物質であり、法律で規制されているものより危険有害である可能性があります。
1-9
Q:熱線型半導体式センサは、どのようなセンサですか?
A:熱線型半導体センサは、半導体を素子にしたガスセンサです。VOC(揮発性有機化合物)はガス状ですので、それをこの半導体(ガスセンサ)で検知します。
1-10
Q:アナログ出力がほしいのですが、可能ですか?
A:アナログ出力には、対応できません。
「VOC警報器」は、オープンドレン出力しか取り出せません。「VOC警報器」の価格を抑えるため、機能を絞りました。
1-11
Q:パトライトを同時に設置するといくらくらいしますか?
A:1万円位から、いろいろな種類があります。
<2:VOC警報器の運用>
2-1Q:「VOC警報器」の設置場所は、どこが良いでしょうか?
A:印刷機械1台に対して「VOC警報器」3台設置を基本にしています。作業者がよく作業するローラー上部、デリバリー部、そして機械と機械の間の3か所です。ローラー上部は、万が一の落下を回避するためインク壺からやや離して設置してください。
2-2
Q:なぜ、その3ヶ所に設置する必要がありますか?
A:・ローラー上部:洗浄時に発生するVOCによって鳴るケースが多いです。作業者に有機溶剤が高濃度で発生していることを認識してもらうことと、周囲の作業者には近づかないよう注意をするためです。
・デリバリー部:作業者がもっとも長くいる場所だからです。
・機械と機械との間:両方の機械から有機溶剤が流れてくる可能性があるためです。
2-3
Q:ローラー上は、どうやって取付ければ良いでしょうか?
A:ローラー上部に梁などがありましたら、そこから吊るすなどすることができます。しかし梁などがなければアーム状のものを設置する必要がありますので、工事が必要になります。取引されている電気工事業者にご依頼ください。
2-4
Q:AC100Vの電源が必要とのことですが、このような電源が不要となる電池式はありませんか?
A:現在は、電池式はありません。AC100Vの電源が必要です。将来的には、電池式の開発を考えて参ります。
2-5
Q:10台「VOC警報器」を購入すると、2年毎に結構なコストになります。リースは行っていませんか?
A:いまは製品販売のみです。リースは今後の検討課題とさせていただきます。
2-6
Q:使用している間に壊れたら、どうなりますか。保証期間は何年ですか?
A:通常使用中で2年以内であれば、故障品を返却ください。代替品をお送りします。保証期間は2年です。
2-7-1
Q:なぜ有効期間が2年なのでしょうか?もっと使用できませんか?
A:VOCを検知するため、極めて高感度なセンサを搭載しており、有効期間は2年間になります。過去に複数の印刷工場でフィールドテストを行い、2年間は使用できると判断しました。
2-7-2【20190401追加更新】新】
Q:有効期限が切れましたが、まだ警報を出しますので、交換しなくても大丈夫ですよね?
A:期限が切れたVOC警報器はセンサーが劣化するため正常に作動せず、VOC濃度が上昇しても警報器が作動しません。その為、VOC警報器が作動しないのは職場環境改善の効果なのか、警報器のセンサー劣化が問題なのか分からなくなり職場環境の改善が進み難くなります。
有害性の高い溶剤や洗浄剤に変更したり、使用量を増やしても警報器が正常に作動しないと、作業者の有害性に対する意識が薄れ、作業者の健康障害に繋がる恐れが生じます。
また警報器が作動しない事で、今まで使用していた保護具を使用しなくなり、作業者へのばく露の危険性が増します。
<3:VOC警報器・その他>
3-1Q:2年経ったら、センサだけを交換することは出来ませんか?
A:センサだけの交換はできません。「VOC警報器」ごとの交換になります。
3-2
Q:「GP資機材3スター」の洗浄剤を使用していたら、安全でしょうか?
A:必ずしも安全ではありません。ご指摘のスター数は、総合的な環境配慮の度合いを示しています。使用方法によっては、リスクレベルがあがります。各製品のSDSや※日印産連が提供するGP資機材認定一覧表を確認して、適切にお取扱い下さい。
※日印産連 GP資機材認定一覧表
3-3
Q:どのような物質がどれくらい危険なのか、どうしたらわかりますか?
A:有害性があり、取扱に特別な措置が必要な化学物質については、労働安全衛生法でその対象物質が決められています。しかし化学物質の種類は多く、同法令で決められたものはその一部であり、個々の化学物質の取扱については、それぞれのSDSを確認して対応する必要があります。
VOC警報器運用ビデオ
20180201作成
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