省エネ対策 - 印刷産業の環境対応早わかりNo.7
会社ぐるみの管理体制で万全を期しています
燃料資源の有効利用を確保するための「省エネ法」が制定され、企業に工場、社屋、機械設備等に関わるエネルギー消費の合理化を求めています。省エネ化、つまり電力やガス燃料の使用量を少なくすることによって、CO2の削減を促すという目的があります。
印刷工場においても、生産システムの改善、ムダ(歩留り)やロス(不良製品)の排除を通じて、省エネ化に取り組んでいます。工場建屋の空調に配慮するとともに、生産設備の高性能化や稼働率向上をはかることが有効な対応策となりますので、これらの要件を考慮に入れた総合的な気配りを続けています。
省エネ対策においてとくに留意しなければいけないのは、単位当たりのエネルギー使用量(原単位)を基準にして管理することです。生産量(印刷の場合は受注量)の増減がエネルギー使用量に影響を与えてしまう弊害を避けなければならないからですが、原単位の低減を目標に問題解決するということは、生産効率の向上や利益増大といった経営上のメリットにつながっていきます。
日本印刷産業連合会がまとめた資料には、印刷会社がこのような視点で取り組んでいる主な省エネ対策として、次のような項目が並んでいます。
(1) 管理体制
経営トップによる省エネ体制の構築/全員参加による省エネの推進/原単位管理によるエネルギー管理(2) 生産機械の省エネ
生産計画策定による電力ピーク対策/印刷機械等の補機の不要時停止および放熱対策/印刷機冷却水ポンプおよび排気ファンのインバータ化/輪転機の乾燥・脱臭用廃熱の再利用(3) 照明の省エネ
適正照明の維持/Hf(高効率)照明の採用/室内壁画の明塗装(4) 空調の省エネ
空調設定温度の緩和/吸排気ダクトのフィルターおよびダクト内の清掃/冷凍機の効率運転/空調の外気利用/空調の外気利用/空調空間の間仕切り/二重扉による空調負荷の低減/吸排気口の位置改善/鉄扉の断熱(5) コンプレッサの省エネ
コンプレッサの吐出圧力低減/エアー漏れの防止/コンプレッサの吸気温度の低減(6) 受変電設備の省エネ
負荷の平準化/不要変圧器の停止/デマンドコントローラの設置このうち管理体制については、経営トップのリーダーシップによって社内に全員参加の推進体制をつくり、一定の管理方針と高い省エネ目標を立てて、計画的かつ継続的に取り組んでいるのが特徴です。不要時の照明や空調の不適正な温度設定、機械の空運転といったエネルギー消費のムダやロスに気づいたら、職場の皆で話し合い、改善をはかっています。
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