再資源化 - 印刷産業の環境対応早わかりNo.3
廃棄物の「3R」に全力を注いでいます
「循環型社会形成推進基本法」は、廃棄物をすべて循環資源ととらえて発生の抑制と再利用を促すために、廃棄物の処理に関してきちっとした規制を設けています。それは「3R」と呼ばれるキーワードで象徴され、これを遵守してもらうことによって、最終処分量の削減をめざそうというのが狙いです。印刷産業においても、それぞれの印刷会社が「環境自主行動計画」(日本印刷産業連合会策定)のもとで、一定の目標を立てながら最終処分量の削減および再資源化率の向上に協力しています。
「3R」とは、①リデュース(最終処分量を減らすために、廃棄物の発生そのものを削減すること)、②リユース(発生した廃棄物のうち、そのまま再使用可能なものは繰り返し使うようにすること)、③リサイクル(再使用できないものを加工処理して、再生資源として使うこと)——を指しています。基本法が定める項目には、さらに焼却処理に伴う熱回収やその後の適正処分が含まれているのですが、印刷業界ではとくに、この「3R」に力点を置いて的確な成果をあげています。
自ら設定した目標を達成するために、以下のような内容で実行しているところです。
(1) 最終処分量の削減に向けて
発生場所での徹底した分別/有価物化を推進する処分業者の選定/廃棄物を発生させない生産システムへの改善/歩留り向上による発生量の削減(2) 再資源化率向上に向けて
紙クズの製紙原料化/版材料であるアルミニウムの再資源化/インキ缶材料である鉄の再資源化/製紙原料化できない紙クズの固形燃料化これらの取り組みをより具体的にご紹介すると、リデュース/リユース対策としては、プリプレス工程におけるデジタル機器の使用、印刷版の品質検査(不良版の追放)、印刷品質の管理、廃インキの削減、製品包装の簡易化に努めています。またリサイクル対策に関しては、主に紙クズ(損紙、製本クズ、包装紙など)、廃プラスチック、金属クズ(使用済み版、インキ缶、シリンダー素材など)、廃液・廃溶剤の分別回収に力を入れています。さらに合わせて、再資源化が可能な印刷物を古紙再生する仕組みづくり、廃紙や廃版、インキ空缶、インキ残肉などの共同回収システムの確立など、業界組織ならではの施策も展開中です。
容器包装廃棄物のリサイクルと再商品化についての取り組みも、その一環です。製造事業者として紙製容器包装、プラスチック製容器包装の製作に関わる印刷会社は、消費者の分別回収を促進するための「識別マーク」の表示の責務を果たしています。これによって、一般廃棄物の減量化と適正処理、再生資源としての有効活用、再商品化を後押ししているのです。
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