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業態変革を実現して戦略的なメディア産業へ
業態変革を実現して戦略的なメディア産業へ
■『「業態変革・ワンストップサービス実践ガイドブック」
-業態変革実践プラン 全印工連2010計画-』 より
(発行:全日本印刷工業組合連合会 発刊:平成21年11月)
■『「ソリューション・プロバイダーへの進化」-産業成長戦略提言 2010-』より
(発行:日本印刷工業組合連合会 発刊:平成22年10月)
1.製造業とサービス業を融合した新業態
印刷業界は製造業として長い歴史を築いてきましたが、市場の成熟化(ソフト・サービス化)、価値観の多様化、デジタル技術の発展、情報化(IT化)の進展など、印刷会社を取り巻く経営環境が激変するなかで、自らの事業形態(業態)を変革しようと全力で取り組んでいます。製造業に印刷付帯サービス、顧客支援サービスを積極的に融合させ、かつデジタル技術を駆使することによって、かつてのモノづくり主体の印刷業から、「情報価値創造産業」「感性価値創造産業」へと着々と歩みを進めています。しかし、製造業の立場でつくってきた印刷物は、将来にわたって印刷業界ならでは主力製品であることに変わりはありません。印刷メディアを中心に電子メディアを加えたメディアコンテンツ全体を取り扱える専門家、すなわち「メディアプロフェッショナル」としての役割は、これからも貫いていく考えです。
中小印刷会社を組織している全日本印刷工業組合連合会では、このような業態変革を実践していくプランとして「全印工連2010計画」を策定しています。そこには、「メディアプロフェッショナル」というコアビジネスをあくまで印刷会社の強みとし、そのうえで周辺事業領域への拡大、営業面での「ワンストップサービス」の実行が提唱されています。顧客にとっては利便性と満足度の向上、印刷会社にとっては高付加価値化と差別化を目的とした業界施策です。
顧客企業は広告宣伝、販売促進、売上げ増大の実現に直結するメディアの有効な利用方法を模索されているはずです。メディアを効果的に活用しながらビジネス上の課題を解決してほしいと願う、このような顧客ニーズを、それぞれの印刷会社がワンストップでまとめてお引き受けすべく、より高度な「ソリューション・プロバイダー」に変身しようという目標も定めています。
顧客企業のマーケティング戦略などに奥深く参画して、あらゆる相談にのるわけですから、課題を共有したうえで具体的な解決策、支援策を提供しなければなりません。価値を共同で創造するWin-Winのビジネスパートナーになって、メディア製作に伴うソフト・サービスを総合的に提供していくことになります。一社で対応できないものは、印刷業界内の専門会社とネットワークを組んでお応えするというコーディネーターの役割も担います。顧客からの相談ごとを、一つの営業窓口で一括受注することによって“お役立ち業”“お手伝い業”に徹しようという姿勢で取り組んでいるのです。
2. ワンストップサービスでつくる事業形態
中小規模の印刷会社からなる一般印刷業では、上記のようなワンストップサービスを実現すべく、自社の事業領域を核(コア)にして、印刷品目、技術、工程などに関する得意技を組み合わせ、さらに、少しずつ前後工程にサービスの範囲を伸ばしていこうと取り組んでいます。実際には、以下にご紹介するような3つの視点から15のビジネスモデルが考えられるとしています。(1)専門特化からの視点
自社の立ち位置と経営資源を最大限活かせる事業領域に専門特化し、独自性を発揮できるその分野でオンリーワンの地位を築いていきます。
(2)印刷付帯サービスからの視点
セールスプロモーション提案やマーケティング活動、フルフィルメントなど、顧客のビジネスを支援・代行するサービスを引き受けていきます。
1 プリメディア/メディアプロデュース
プリプレスより前段階のプリメディア工程に遡って、コンテンツを活用できる多様なメディアを企画提案し、顧客のビジネスを支援していきます。
2 セースルプロモーション/ビジネス企
市場調査に始まるマーケティング活動をお手伝いして、消費者ニーズに合致する多様な販促用印刷物、広告媒体の制作に取り組んでいきます。
3 グラフィックデザイン/プリプレス
グラフィックデザイン、画像処理、ページ編集を含む高度なプリプレス業務に力点を置き、制作したデータを印刷メディアに活かしていきます。
4 フルフィルメント/ロジスティックス
製本・後加工の工程をさらに充実させ、預かり在庫、封入・封緘、個別発送、顧客管理など納品前後の業務に取り組み、印刷の仕事を完結させます。
(3)印刷ビジネス領域からの視点
自社がもっとも得意とする特定の事業領域を定め、製造業としてやってきた経営基盤にサービス機能を加えながら、新たな印刷ビジネスを展開していきます。
① マーケティングプランナー
商業用印刷物というメディアを絶対の強みとし、顧客企業に対する提案営業を通じて、販売促進に有効なマーケティング企画を支援していきます。
② 編集プロダクション
出版印刷物について編集機能を果たすことによって、コンテンツの制作と管理、印刷をはじめとするメディアミックスが可能なシステムを構築します。
③ データプロセシング
情報用印刷を手掛けている分野で、独自処理したドキュメントや数値のデータベースを構築し、情報加工、データプリントのサービスをおこないます。
④ 会社業務サポート
企業間あるいは企業と消費者の間を行き交う取引状況を、実務に適した情報に加工しデータベースから出力して、業務用印刷物として提供します。
⑤ プリントショップ
地元の事業所、商店、個人から小モノ印刷物やパーソナル印刷物を受注し、地域密着型の印刷会社ならではの身近な印刷サービスを実行します。
⑥ 印刷コーディネーター
印刷設備をもたずに、印刷物に関する企画相談から仕様設計、発注手配、料金交渉、品質保証、納品まで、営業専門の商社機能を発揮していきます。
⑦ 印刷プロダクション
あくまで印刷工程に基盤を置き、同業の印刷会社から大量印刷、高級印刷、特殊印刷などを受注することで、刷り専門の会社としての地位を築きます。
3. ソリューション・プロバイダーとして生きる
このような業態変革を完結させるため、全日本印刷工業組合連合会では産業成長戦略ビジョン「ソリューション・プロバイダーへの進化」を掲げ、そのなかで、中小企業からなる一般印刷業界がめざす方向は「製造業としての強みを備えつつ、顧客へのソリューション提案ができるサービス業態である」と提言しています。
具体的に想定し得る方向として掲げたのは、以下の9分野です。
① 経営ソリューション分野
顧客企業が課題としているCSRコミュニケーション、経営戦略の構築、市場ないしは地域の活性化戦略などを支援するコンサルティング業務を手がける。
② 販売ソリューション分野
地域に事業基盤を置く顧客企業の課題解決のために、密着型のマーケティング提案をおこない、販売促進ツールとしてのメディアミックスを提供する。
③ 感性価値ソリューション分野
さまざまな文化産業に焦点を当て、生活者の感性に働きかけて共感・感動を得ることのできる印刷メディアを、発想力と技術力でプロデュースする。
④ クロスメディアソリューション分野
顧客企業が伝えたい情報を消費者に的確に届けるために、複数のメディアを組み合わせることで、購買行動につながる仕組みをつくる立場に立つ。
⑤ クリエイティブソリューション分野
印刷物を制作するために培ってきた高度なグラフィックデザインの専門的知識、技術、ワークフロー能力を、電子メディアの情報デザインにも活かしていく。
⑥ プリントソリューション分野
大量、安価、高速という印刷メディアの特性を、ボリュームの大小、品質の高低といった切り口から見直すことで、印刷会社ならではの強みを形成する。
⑦ フルフィルメントソリューション分野
印刷後に付帯する各種のサービスはもとより、顧客企業が関わる主力業務以外の仕事を自社のビジネス領域に取り込んで、幅広い付加価値を提供する。
⑧ 海外ビジネスソリューション分野
海外に進出した顧客企業に追随、人脈を通じて海外企業からの受注、高い技術力を活かした業務提携などにより、外国市場とのつながりを模索する。
⑨ 地域活性ソリューション分野
地域再生のための事業を受けもったり、推進企業を後押ししたりすることによって、地域に生きる企業、学校、住民、行政を結びつける役割を担う。
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