「今の中小企業を取り巻く状況」を見ていただきますと、企業の開廃業率は、1981年くらいを境に開業率と廃業率が逆転し、ずっと開業率が下回っている状況になっています。 中小企業数の推移は平成元年から平成6年までの間に約10.5%社数がマイナスしていますが、印刷業界を見ると平成元年の約3万7,000 社から平成6年の約3万2,000 社と一般の中小企業のマイナスより大きく約15%社数が減少しています。これは一般の中小企業より約5割速いスピードで社数が少なくなっており、印刷業は経営革新への取組みに早く取り組まないとだめではないかと思っております。
各社で会社の強みと弱みを書き出してもらい、それをできる限り数値的に置き換えて、経年で見る必要があります。この作業をすると自分はこの部分は強いなと思っていたにもかかわらず、数字では意外と別のところが強かったり、強いなと思っていたところが結構贅肉を食っているだけであまり良くなかったというところが判ってきます。 先ず 自分がやっているところを数値化して、強いところ、弱いところをよくもう一回見つめ直し、それを知った上で、自分はどういう新しいことをやっていったら良いのかと計画として作っていくことです。
新しい「新事業活動を行うことにより、経営の相当程度の向上を図ること」が経営革新です。 では、「新事業活動」とは、T新しい商品の開発と生産、U新しいサービスの開発または提供、V商品の新しくないが、そのつくり方や売り方が新しいもの、Wサービスは新しい提供ではないが、新しいやり方でやる。という4項目に分類はされますが、その他なにごとでも、昨日までやっていたことと違うことをやる場合に、この支援策の対象になります。 計画期間は3〜5年くらいの期間で目標を達成していくということで、3〜4年くらいの計画を作ります。 数値目標として、付加価値額、または1人当たりの付加価値額の伸び率を年率3%以上。経常利益の伸び率が年率で1%以上にします。計画期間が3年の場合は付加価値額9%以上、経常利益は3%以上の計画になります。 その他事項として、計画に対する進捗状況のフォローアップ調査があります。 承認申請は都道府県単位になりますので、東京の場合は都庁の承認をもらって、都からのフォローアップ調査を受けることになりますが、承認を受けると、中小公庫による低利融資、信用保険法の特例、税制措置、特許料の減免、販路開拓支援等の支援策の利用が可能になります。 「付加価値額」とは「営業利益+人件費+減価償却費」、ここでいう「経常利益」とは「営業利益−営業外費用」で「営業外収益」は含んでおりません。『今すぐやる経営革新』の16ページに書いてあります。 「経常利益」として例えば土地の売却等の営業外収益を含んでしまうと、経営革新をやってどれだけ上がったか判らなくなってしまうからです。