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 技術セミナー
   「フォーム業界から見たdrupa2008」 リポート
 3.「プリンタ、デジタルプレスと組み合わせた加工技術」
  小林クリエイト株式会社   安面 秀幸 氏
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ただいまご紹介いただきました小林クリエイト(株)の安面でございます。  
今回、私は初めてdrupa を視察してまいりました。多少的外れな事を言うかも知れませんが、その辺はお許しいただきまして、「プリンタとデジタルプレスと組み合わせた加工技術」という切り口からdrupa 2008を視察して、興味を持った点についてご報告させていただきます。
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まず、簡単に内容です。  
今回、加工技術からみたdrupa をご紹介致しますと、前評判どおり「インクジェットdrupa 」というものでありました。インクジェットプリンタが派手に展示をされておりまして、大変華やかなものでありました。その中で加工技術で注目すべきは、プリンタの前後処理機ではなかったかと思います。  
どこのブースを見学致しましても、プリンタとオンラインで実演を行っておりました。加工技術の中でも特にこの点についてご報告させていただきます。  
報告の内容と致しましては、まず「ハイブリッド印刷機」、2番
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目に「トナー式プリンタとインクジェットプリンタの結合」、3番目に「デジタルプリンタと後処理機のオンライン化」、4番目に「事後処理機」、5番目に「その他加工機」、6番目に「LED−UVプリンティングシステム」、7番目に「UVインクジェットシステム」、最後に「まとめ」という順番で報告させていただきます。
<ハイブリッド印刷機>
まず初めに興味深かったものは、ハイブリッド印刷機です。このハイブリッド印刷機の構成は、ミューラ・マルティニのConceptaというウエット・オフセットの4色機にコダックの今回新開発のStream Conceptというインクジェットプリンタを搭載したものでありました。
前回のdrupa でも実演されたと思いますが、今回は新開発と言う事もありまして、前回の解像度が300dpiアップしており、最高スピードも300 m/分を誇っております。
drupa の会場でも300 m/分で特にシートカットされておりま
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して、加工技術と言う点では非常に迫力がありまして大変興味のわく設備でありました。drupa 2008で発表し、2009年1月より正式リリースと聞いておりますので、drupa の目玉技術の一つではなかったかと思います。  
実際に印字サンプルを見ますと、オフセット印刷機で印刷したものと実際にコダックのStreamで印刷したものがあります。これを可変でやっておりました。
<トナー式プリンタとインクジェットプリンタの結合>
続きまして興味深かったのは、ニプソン(NIPSON)社のVaryPress SCS です。この設備の構成は、マグネットグラフィー方式のVaryPress 500 プリンタと、インクジェット方式のVaryPress SCS のオンライン化です。
マグネットグラフィー方式について少し説明致しますと、通常の電子写真方式と違い、マグネッティックトナーをニップ圧と静電気により用紙へ転写させて、その後、フラッシュランプにより定着させる方式です。
このマグネットグラフィー方式は、15年以上前に発表された
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技術でありますが、ポイントとしては、このプリンタにパナソニックのインクジェットを搭載しまして、スポットカラーの印字と通常の可変データ印字の実演を行っているところにあります。
最大スピード150m/分と、電子写真方式と比較しましても最速であります。スピードも25mから150 mまで変更可能な点が特徴になっています。かなり面白い組み合わせであると私は感じました。
ただし、インクジェットで印字した部分に若干乾燥不良がありまして、汚れている点がちょっと気になりました。
サンプルについては、(資料)黄色とオレンジの部分はインクジェットで印字されまして、その他の部分はプリンタで打ってあります。インクジェットの部分で少し汚れている所がありますが、この辺は乾燥の問題もあるかと思います。その辺が改善されれば非常に有効な設備ではないでしょうか。
<デジタルプリンタと後処理機のオンライン化>
その次に興味深かったものは、デジタルプリンタと後処理機のオンライン化です。代表的なものを三つ紹介したいと思います。
まず一つ目は、大日本スクリーン社のTruepress Jet520に連結されておりましたフンケラー社のクロスカッターCS6、ブラムコレーターDC7、バックルフォルダーGUKです。  
大日本スクリーン社のTruepress Jet520で両面フルカラーの新聞印字を致しまして、フンケラー社のクロスカッターCS6でカット致しまして、7枚をブラムコレーターで合わせまして、最
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後にバックルフォルダーで二つ折りにして、スピード64m/分で実演を行っておりました。  
印字から加工まで大変スムーズな動きがあったと記憶しております。小型の新聞印刷等には非常に効果が発揮できる設備ではないでしょうか。またプリンタ自体は、最大128 m/分まで可能だと聞いておりましたが、加工機の能力が間に合わないという事でしたので、今後、加工機のスピードアップに期待したいところです。  
実際に新聞のほうは、毎日新聞のもので、印字致しまして、合わせまして二つ折りにするという設備がありました。
続きまして「デジタルプリンタと後処理機のオンライン化」で興味深かった二つ目と致しましては、ゼロックスの650 に連結されていましたフンケラー社のクロスカッターCS6、オフセットモジュールSE6、ラージスタッカーLS6の組み合わせと、ミューラー・マルティニ社のシグマバインダー、シグマタワー、シグマトリマーの製本ラインのオンライン化です。  
ゼロックスのプリンタで印字した製品をフンケラー社のカッターでカットしましてスタックし、ミューラー・マルティニ社の製本ラインで本を完成させるという実演をオンラインで行っておりました。  
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ミューラー・マルティニ社のブースでも、オセ社のバリオストリームを使いまして製本ラインを連結させましてオンラインで実演を行っておりました。  
高速プリンタと製本ラインのオンライン化というのは非常に生産性が高く、見学していても大変迫力がありまして、今後の加工技術の進むべき方向性を見たような気がします。  
実際に作られていた本は、中身はプリンタで印字しまして、それをカットして集積し、シグマバインダーというもので表紙を入れて本にし、最後に三方断裁して完成というワンラインでできる設備を展示しておりました。
続きまして、デジタルプリンタと後処理機のオンライン化で興味深かった三つ目と致しましては、フンケラー社のアンワインダーUW6、プラウフォルダーFM6、ダブルカッターCS62、バックルフォルダーGUKであります。  
この設備はオフラインで実演を行っていたのですが、プリントアウトのオンライン化も当然可能であります。特徴と致しましては、プラウフォルダーでまず二つ折りにしまして、その後、余白をスリットし、ダブルカッターでカット、バックルフォルダーで折って完成という製品です。  
ダブルカット部分には、二つのバリアブルシリンダを使用しま
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して、ドブは3mmから70mmまで作業可能という事でした。スピードは150m/分で実演を行っておりましたので大変迫力がありました。今後このような設備がどんどんオンライン化が進むのではないかと思われます。  
サンプルがありますが、実際にはXeikon で印字したものを持ってこられたのですが、Xeikon で印字したものをまず二つ折りにして、そのあと余白部分をカットしまして、折機で折る。こういう形で完成というのを150 m/分で実演しておりました。
<事後処理機>
続きまして興味深かったものは、ピッツニーボウズ(Pitney Bowes) 社の封入封緘機です。アンワインダーを連結致しましてロール製品をカットしながら二つ折りにして同封物を乗せまして封筒に入れます。次に封入物の重量を測定し、その重量に合った料金情報をインクジェットプリンタを使用して印字します。最後に自動仕分けされた専用ボックスに収納されるという事でした。時間は2万2,000枚と言う事もありまして大変迫力があった設備であります。  
(資料写真)作られた製品は、レジみたいなものがあります
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が、そこが丁度インクジェット部分です。その前に重量を測りまして、この二次元バーコードみたいなものを重量物に合わせて印字していくという設備が展示されておりました。非常に生産性が高くて興味のある製品の一つであります。
続きまして興味深かったものは、バース(buhrs)社から紙ラッピング装置というものが出ていました。この装置も、アンワインダーを連結しまして、ロール製品を二つにスリット致します。スリットした後にホットメルトで用紙に糊を塗りながら、封入物を挿入してプラウ折りしまして封緘して最後にカットするという装置です。  
本紙に糊を塗ったあとに封入物をサーボモータを使いまして微妙にローラーを制御しながら指定の位置に入れていくというのは、非常に見応えがあった設備であります。  
あと、2アップ作業という事もありますので、3万枚/時という
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のは非常に魅力があります。ただ、封筒自体、日本でこの封筒が受け入れられるかどうかと言うのが一つのポイントになるのではないかと思われる製品でした。  
実際に作っていた製品は、その中に封入物が入っていまして、私、ちょっとあけましたら、若干糊が着いてひっついている所もありました。この辺の精度が上がれば非常に使える設備ではないのでしょうか。
<その他加工機>  
続きまして興味深かったものは、ビエロマティックのRFIDの加工機です。こちらのほうは、TTL100 を使用しまして、前工程で加工されたアルミ箔のアンテナに、アンテナチップでRF−LoopTAGと云う物をカットして貼り合わせて、インレットを加工します。  
続きまして、機材とインレットを貼り合わせてロータリーダイカットでカットし、その後カス上げしましてロール仕上げする製品を実演しておりました。  
各工程は、詳しく説明を聞きながら見学させていただいたとい
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う事で、非常にゆっくりなスピードでありましたが、実際には最高90m/分まで作業可能と聞いております。ただし、リジェクト機能が搭載されておりませんので、後工程で検査工程を設けて検査する必要がある設備ではあります。  
これ以外にもRFIDと致しましては、メルツァ―社やフンケラー社の方から加工機として実演を行っておられました。設備としてはかなり整ってきましたので、今後の日本の普及に期待したいところであります。
RF−LoopTAGを詳しく説明致しますと、実際には、オランダのNXP社が開発したものでUHF方式のストラップとなっています。  
あと、先ほどご紹介したTTL100 のほうは、アルミ箔から型抜きしましてアンテナを作ります。アンテナとチップを貼り合わせまして、そのあとまた機材に合わせるという事を行います。これによって実際にインレットの価格を押さえられるという事でした。ですから、価格を押さえるという面では非常に技術的には興味のある一つの製品でありました。これがRF−LoopTAGと発表されていたものです。
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<LED−UVプリンティングシステム>  
続きまして興味深かったものは、リョービ(RYOBI)から出されていたLED−UVプリンティングシステムです。印刷機は、リョービ社のRYOBI(525GX)で、インキは東洋インキ。UVランプは松下電工を使用して実演を行っておられました。  
現在使用しているメタハラランプと比較しますと、消費電力は80%削減と聞いておりますので、省エネには効果がある技術だと思います。  
しかしながら、LED−UVランプの波長が350 ナノメーターということもあり、現在 使用しているインキでは乾燥出来ないと
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言う事から、LED・UVランプの改良、もしくはLED−UVランプ用のインキの普及が望まれるところです。
<UVインクジェットシステム>  
続きまして興味深かったものは、UVインクジェットシステムです。UVインクジェットは、大きく分けてワイドフォーマットタイプとロールタイプとありますが、今回はロールタイプの方についてご紹介したいと思います。  
ロールタイプは、EFI、あと、アグファ、ミヤコシ、スクリーン、エイゼット、ドミノ、コニカミノルタ、ザール等が色々出展されていましたが、今回はフルカラーの印字を行っておりました、EFIを紹介いたします。  
ヘッドの構成は、各色が2列で千鳥に配置されておりまして、
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合計で8個のヘッドを使用しておりました。最高解像度は、グレースケールは900dpiという事でした。最高スピードが30mという事でしたが、実際に私が見た時の実演では、10mくらいで作業されておりました。
この為に、用途としては、どちらかというとロングランではなくてショートラン用のラベル印刷に向いているのではないかと思われます。
印字品質につきましては、実際にサンプルを見てみますと、良くもなく悪くもなくと言うところでありますので、使用用途によっては十分に使えるのではないかと思われます。実際のサンプルは、遠目には非常に綺麗に見えますが、よく見ると若干解像度が粗いかなというものであります。
<まとめ>  
最後にまとめです。  
プレスの加工技術から見た場合に、印刷機とインクジェットのハイブリッド化は今後どんどん進んでいくと思います。次世代は、インクジェットによるフルバリア時代が到来するのではないかと思います。
デジタルプリンタと後処理機のオンライン化は、今後ハイスピードで進みそうです。まだ解決しなければならない問題が多々ありますが、プリンタと封入封緘機のオンライン化も近いのではないかと感じました。
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その他加工機については、RFIDは、加工機のラインナップは揃ってきましたので、今後、日本での普及に期待したいところです。  
LED―UVランプにつきましては環境対策で絶大な効果が期待できるため、早期普及 に期待したいところです。  
最後に、UVインクジェットシステムですが、ショートラン向けに今後、普及しそうな予感が致しました。ただし注意しなければいけない点は、このUVインクというのは非常に高価な為に価格が下がる事が一つの条件になるのではないかと思いました。
以上をもちましてdrupa に関する小林クリエイトの報告を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
   
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