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不当廉売は、独占禁止法に基づき、不公正な取引方法の一つとして禁止されている。 不公正な取引方法とは、公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するものをいい、一般指定と特殊指定とがある。 |
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不当廉売は、すべての業種に適用される一般指定第6項で次の通り規定されている。 | |||
一般指定第6項「不当廉売」 | |||
正当な理由がないのに商品又は役務を、その供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、その他不当に商品又は役務を低い対価で供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれのあること。 |
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不当廉売とは何かについては、@廉売の態様、A競争への影響、B正当な理由 の三つの面からとらえることができる。 | |||
1.廉売の態様 | |||
第一に、不当廉売として問題となるのは不当に低い対価に当たる場合である。 いかなる価格水準が不当なものとなるかにっいては、機械的な尺度をもって律することはできないが、一応の目安として市場価格を下回り、且つ、原価を下回る価格であるかどうかが基準となる。 「供給に要する費用」とは、当該行為を行っている者の「供給に要する費用」であり、業界一般の「供給に要する費用」または特定の競争者の費用ではないことに留意。 「継続して」とは、相当期間にわたって繰り返して廉売を行うことであり、極めて短期間であったり単発的な場合は競争への影響が通常は無視できると考えられるところから問題とならない。 |
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2.競争への影響 | |||
第二の要件は、問題となる廉売によって「他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること」である。 現に事業活動が困難になることは必要なく、諸般の状況からそのような結果が招来される蓋然性が認められる場合を含む。 |
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3.正当な理由 | |||
第三に、不当廉売かどうかを判断する際の重要な考慮事項として「正当な理由」の存否があるが、外形上上記1.及び2.の要件に当たる場合でも、例えば生鮮食料品や季節商品の見切り販売、きず物、はんぱ物の廉売等は不当廉売とはならない。 |
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※不当廉売規制の目的は、公正な競争秩序を維持することにあり、良質・廉価な商品を供給し得ない、企業の効率性において劣る事業者を保護しようとするものではない。 |
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(日本フォーム工連 平成12年4月理事会資料より) |